「営業事務の業務効率化を図りたいが、日々のタスクに追われてなかなか取り組めない」
「業務量が多くマルチタスクが求められるためヒューマンエラーが起こりやすい」
営業事務の業務に対して、このような悩みを抱えている企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、営業業務を効率化するための具体的な方法を紹介します。
実施手順やポイントなどもあわせて解説しますので、始めやすい取り組みから実践してみてください。
営業事務の具体的な業務内容として、下記のようなものが挙げられます。
管理業務 | 受発注業務 売上管理 納品・在庫管理 顧客データ管理 営業担当者の予定調整 |
資料作成 | 見積書、請求書、納品書、伝票などの作成 営業資料作成、作成補助 社内資料の作成 |
顧客対応 | 問い合わせ対応 カタログや書類などの送付 商品(サンプル)送付 |
営業事務の主な業務は、営業活動のサポートやバックアップです。
営業担当者が顧客との交渉などに注力できるよう事務作業をサポートすることが主な役割です。幅広い領域での事務を指す一般事務に対し、営業事務は営業活動に関わるサポート業務が中心となります。事務作業の割合が多いですが、顧客や他部門とコミュニケーションを取ることもある点が営業事務の特徴といえるでしょう。
営業事務は会社の売上や業績を支える重要な役割を果たしていますが、業務の特性上さまざまな問題もあります。ここでは、営業事務が抱える5つの代表的な問題について説明します。
業務内容が多岐に渡る
情報の整理と管理に工数がかかる
ミスが許されない
迅速な対応が求められる
社内外のコミュニケーションが発生する
営業事務の業務内容は非常に幅広く、多岐に渡ります。見積書などの書類の作成や受注処理、納期の管理、在庫の確認など、数多くのタスクを同時進行で進めなければなりません。これらの業務を効率的に行うためには、優先順位をつけながら、複数のタスクをバランスよく処理する能力が求められます。しかし、業務量が増えると、どのタスクにも十分な時間を割くことが難しくなり、結果としてミスや遅延が発生しやすくなります。特に、繁忙期には業務量が増え、負担が大きくなりやすいです。
営業事務では、商品情報や顧客情報、取引履歴など多くの情報を取り扱うため、情報の整理や管理に工数がかかってしまう傾向があります。特に、各情報を複数のシステムやツールで管理している場合、それぞれのデータを統合する手間がかかります。
紙の資料で管理する必要がある業務の場合は、情報の検索や更新に時間がかかり業務効率が低下してしまうこともあるでしょう。
また、複数の部署や担当者が関与する情報の場合、情報の整合性を保つために定期的なチェックや更新が必要です。情報の整理が不十分だと業務の遂行に支障をきたし、顧客対応にも悪影響を及ぼします。
営業事務の仕事は、ミスが許されないというプレッシャーが常につきまといます。例えば、見積書や請求書の金額が間違っていれば、顧客との信頼関係に大きな影響を与えます。最悪の場合クレームに発展するリスクもあるでしょう。営業事務の仕事は企業全体の信頼性に関わるため、細心の注意を払いながら業務を遂行する必要があります。
営業事務には迅速な対応が求められます。受注処理や請求書の発行など、締め切りのある業務が多く、また月末や決算時期には、営業担当者の売上目標達成のために、即時の書類作成や送付などイレギュラーな対応を求められることも少なくありません。
さらに、顧客や営業担当者からの問い合わせや依頼にもスピーディーに対応する必要があります。顧客満足度を向上させるためには、問い合わせに対して迅速に回答することが重要なうえに正確性も求められるため、プレッシャーがかかる場面が多くあります。
営業事務は、社内外の多くの関係者とコミュニケーションを取る必要があります。社内では営業担当者や他部署との連携が求められ、社外では顧客とのやり取りが発生します。円滑なコミュニケーションを維持するためには、高いコミュニケーションスキルと調整能力が不可欠です。コミュニケーションの頻度が高いと業務時間が圧迫されるため、効率的な時間管理も重要となります。
営業事務の効率化は、営業部門のみならず企業全体に大きなメリットをもたらします。ここでは、営業事務を効率化することで得られる以下4つのメリットについて詳しく説明します。
担当者の負担を軽減できる
営業の質が向上する
顧客満足度が向上する
コストを削減できる
営業事務は、見積もりなどの書類作成や顧客からの問い合わせ対応など、常に多くの業務に追われています。
営業事務を効率化できれば、それぞれの業務にかける時間を短縮でき、担当者の負担軽減を図ることができます。
担当者の負担が軽減されるとケアレスミスも起こりにくくなり、ヒューマンエラーの削減にもつながるでしょう。加えて、残業時間を削減したり、休暇を取りやすくなったりするなど労働環境改善の効果も期待できます。
営業事務の効率化により、短縮した時間を営業成績へのサポートに充てることができます。例えば、販売実績や顧客動向のデータ分析を行い顧客の課題を発見したり、提案資料作成のサポートしたりするなどが挙げられます。
これにより、営業担当者の活動をバックアップし、営業の品質および売上の向上につながるでしょう。
営業事務の効率化は、顧客満足度の向上にも直結します。効率化により、受注処理や納期管理が適切に行われることで、顧客への納品が遅れることなくスムーズに進みます。
また、効率化されたプロセスによりミスが減り、正確な情報提供が可能になるため、トラブルの発生を未然に防げます。
さらに業務に余裕が生まれることで、顧客からの問い合わせにも迅速かつ丁寧に対応できるようになるでしょう。これらの要素が相まって、顧客は企業に対する信頼感を高め、満足度の向上が期待できます。
営業事務の効率化は、企業のコスト削減にも大きく寄与します。業務効率の向上により必要な人員を減らすことができれば、採用や教育にかかるコストを削減できます。また、効率化によって残業時間が減ることで、その分の人件費削減にもつながるでしょう。さらに、業務の自動化・システム化によりヒューマンエラーのリスクを大幅に減少させ、再処理や修正にかかるコストも削減できるでしょう。
営業事務を効率化するには、いくつかの方法があります。ここでは、営業業務を効率化する方法として、以下4つを紹介します。
業務の自動化
コミュニケーションツールの活用
業務マニュアルの作成
アウトソーシングの活用
近年注目されている業務の自動化ツールとして、RPA(Robotic Process Automation)があります。主にパソコンを使った業務の自動化に使われており、営業事務の効率化の手段として導入している企業も多いです。
例えば、請求書発行や売上データ集計などの業務を自動化することで、手作業によるミスを減らし、作業時間を短縮することができます。
営業事務は頻繁なコミュニケーションが求められます。コミュニケーションツールを活用することで、社内外のやり取りをスムーズに行うことができます。
例えば、チャットツールを導入することで、複数人に同時に情報を伝えることができますし、受信側が都合のよいタイミングで返信することができます。
既読やスタンプ機能が搭載されているツールであれば、送信側からメッセージが確認済みであるか把握することも可能です。
また、タスク管理ツールを使用することで、各メンバーの業務進捗を可視化し、効率的なタスク管理が実現できます。進捗確認の打ち合わせやメッセージのやり取りを減らし、実務に集中する時間を増やすことにもつながるでしょう。
業務マニュアルの作成も、効率化の方法として非常に有効です。業務の流れや進め方をまとめたマニュアルを整備することで、ミス防止や業務品質の維持が可能になります。担当者の休暇や退職の際にも、マニュアルがあれば引き継ぎがしやすく、業務の停滞を防ぐことができます。
またマニュアルを作成する際に業務の棚卸しと見直しを行えるため、不必要な業務の削減に加えて、効率的な進め方を考えるきっかけになります。
効果的な業務マニュアルを作成するための完全ガイドでマニュアルの作成方法を解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
営業事務の業務は定型化しやすいものが多いため、アウトソーシングに適しています。定型業務などは外部に委託することで、営業事務の社員は顧客対応や提案資料作成のサポートなど、売上に直結する業務に専念でき、生産性の向上が期待できます。また、外部の専門家によるサポートを受けることで、業務品質の向上も見込めるでしょう。アウトソーシングは依頼する業務量を柔軟に調整できることも特徴です。短期的なプロジェクトや季節的な業務のために一時的に人手を増やす必要がある場合、必要な期間だけアウトソーシングを利用することで、コストの無駄を省くことができます。
営業事務を効率化するための取り組みは、正しい手順で行うことが大切です。
本章では、営業事務を効率化するための以下3ステップについて解説します。
<ステップ1>業務の棚卸と課題の把握
<ステップ2>業務を効率化する方法を検討・実施する
<ステップ3>PDCAを回す
営業事務を効率化する第一歩は、現状の業務を正確に把握することです。まず、すべての業務をリストアップしてみましょう。そして、各業務における問題点や非効率な部分を洗い出します。営業担当者にもヒアリングすることで、現場が抱える課題がさらに明確になります。課題が多い場合は、優先順位をつけることがおすすめです。まず早急に対応すべき課題はどれかを検討しましょう。
次に、課題を解決するための具体的な効率化方法を検討します。
1つではなくいくつかの方法を検討し、実行可能性や効果の大きさに基づいて優先順位を決めましょう。即時効果が期待できるものや、まずは労力をかけずに取り組める方法から実施することが効果的です。
業務効率化の取り組みを継続的に改善するためには、PDCAサイクルを回すことが重要です。PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の4つの課程を指します。PDCAで重要なことは、実際に行ったことに対して結果を評価するだけでなく、「なぜうまくいったのか」「なぜうまくいかなかったのか」という要因を分析することです。そこから得られた学びを反映させて改善につなげることで、持続的に業務効率を向上させることができます。
出典:カチアルサポート
営業事務における効率化の方法としてアウトソーシングを検討する場合、「煩雑な業務も多いので柔軟に対応してほしい」「なるべく低コストで済ませたい」とお考えの企業担当者の方も多いのではないでしょうか。そのような企業におすすめなのが、NTT印刷株式会社が提供する「カチアルサポート」です。カチアルサポートは、さまざまなバックオフィス業務を好きな時に好きなだけ、厳選されたスタッフに依頼できるサービスです。カチアルサポートに依頼できる業務の1つとして営業事務の代行があり、見積書や請求書などの書類作成、営業資料の作成補助、販売実績の集計、顧客データべース更新など幅広い業務に対応可能です。
また、カチアルサポートでは複数の業務を組み合わせて依頼することができるため、営業事務と合わせて他のバックオフィス業務をアウトソーシングすることで、さらなる効率化や人手不足解消が期待できます。
料金体系も月額43,000円(税込47,300円)からとリーズナブルで、コストを抑えたい企業にもおすすめです。
本記事では、営業事務を効率化するための具体的な方法やステップを解説してきました。
<記事のまとめ>
多岐に渡る業務内容や情報管理の必要性から、営業事務の効率化が重視されている
営業事務の効率化は、コスト削減や顧客満足度の向上など、企業全体にプラスの影響をもたらす
業務の自動化やアウトソーシングの活用など、自社に適した効率化を進めることが大切
人手不足などの影響により、営業事務の仕事はますます膨大化していくでしょう。
手作業や自社リソースのみで完結させる業務プロセスを見直し、今後はITツールやアウトソーシングなどを活用しながら効率化していくことが求められます。
企業成長を支える基盤として営業業務の精度を高めるため、積極的に業務効率化に取り組みましょう。