業務効率化

アウトソーシング活用例5選!失敗例と導入成功のポイントも紹介

アイキャッチ画像
目次

アウトソーシングサービスを導入するにあたり、

「どのような業務を依頼できるのか」
「どのくらい負担が軽減されるものなのか」
など、まずは実際の事例を確認したいと考える方が多いのではないでしょうか。

人材不足が深刻化している現在、早急なアウトソーシングサービスの導入を検討する企業も少なくありません。

そこで本記事では、アウトソーシングの活用例を紹介し、失敗を防ぐためのポイントを解説します。代表的な失敗例や成功のポイントも取り上げますので、アウトソーシングサービスの導入にぜひお役立てください。


アウトソーシングとは

アウトソーシングとは、社内で行っていた業務の一部を外部に委託することです。自社で行っていた業務を外部に委託することで業務の負担を減らし、リソース不足を短期間でカバーすることが可能です。

現在、人材が不足し業務の負荷が増大する中、アウトソーシングを検討する企業は少なくありません。ここではまず、アウトソーシングの基本事項を紹介します。

  • アウトソーシングと人材派遣の違い

  • アウトソーシングの種類

  • アウトソーシングのメリット

  • アウトソーシングのデメリット

アウトソーシングと人材派遣の違い

アウトソーシングも人材派遣も、社外の人材に社内の業務を実施してもらう点に違いはありません。しかしアウトソーシングの場合、実際に働くスタッフの方に指示を出すのはアウトソーシングサービスを提供している企業です。ある程度はアウトソーシング先スタッフと業務範囲や取り組み方について話し合える機会はあるものの、業務を主導するのはアウトソーシング先の企業となります。

一方、人材派遣では働き方や実際に行う業務を依頼元である自社が先導して決定します。派遣元企業はあくまでも人材を管理しているのみであるため、実際の業務の細かい部分については自社で積極的に決めていく必要があります。

アウトソーシングの種類

アウトソーシングの種類は、次の3つです。

種類

正式名称

対応業務

BPO

ビジネスプロセスアウトソーシング

企画から実行、評価までの業務過程全体

ITO

ITアウトソーシング

ITに関連する業務

KPO

ナレッジプロセスアウトソーシング

データ分析や加工など専門性の高い業務

軽微なもの、専門性の高いものを含めて一連の業務を丸ごと委託したい場合、BPOが最適です。企画から実行、その後の対応まで委託することができるため、自社の一部門のように対応してもらえます。

そして、IT関連の専門知識が必要な場合は、ITOを検討しましょう。IT領域の知識を持った人材の採用は難しいため、ITOが必要となるシーンは非常に多いといえます。システム開発や保守、システムの導入などで失敗すると業務がストップするケースもあるため、早めの依頼が重要です。

KPOは、データに関するプロフェッショナルに依頼したいときに最適です。データ分析や調査は、戦略立案や意思決定にも関連します。プロの意見を聞きながら、今後の方針を決めていきたいときに検討してください。

アウトソーシングのメリット

アウトソーシングの大きなメリットは、社内の業務負担を減らせることです。人材が少ない状況でも通常通り業務を回すことができるため、滞りなく社内の業務を進めることができます。

新規業務開始時で人材が少ないときでも、アウトソーシングをすれば必要な人材が短期ですぐ獲得できるでしょう。また、定常業務の属人化を防ぐことができるため、もしものときにも備えることができます。

さらに、委託量は時期や業務量に合わせて調整できるため、繁忙期には多めに依頼し、閑散期には依頼を抑えるなどの活用も可能です。そして業務のクオリティアップにつながります。人材の流出を防ぎ業務のクオリティを上げるためにも、アウトソーシングは非常に効果的な選択といえます。

アウトソーシングのデメリット

アウトソーシングのデメリットとしてまず挙げられるのは、ノウハウが蓄積できないことです。ノウハウが蓄積できない状況では従業員が育たず、アウトソーシングをやめた後に自社で業務をこなせなくなるケースがあります。

また、アウトソーシングサービス導入により社内体制が変わると、混乱が起こることも少なくありません。サービス導入の際は社内の状況を慎重に分析する必要があります。

さらに、アウトソーシングサービスの利用には費用がかかる点もデメリットです。依頼する業務範囲を拡大していくと、その分費用も増えて大きな負担となることもあるでしょう。

見落としてはならないのが、情報漏えいのリスクです。企業機密や個人情報を外部に渡して作業を行うため、セキュリティ体制が十分なアウトソーシング先を選ぶ必要があります。

アウトソーシングで解決できる課題

アウトソーシングにはメリットとデメリットがあるため、どのような状況で活用するかが重要です。ここでは、アウトソーシングの活用が効果的な状況や、アウトソーシングで解決できる課題を解説します。

  • 人手が足りず業務が十分にこなせない

  • 業務が忙しくなり人材が流出している

  • 専門知識を持つ人材が不足している

  • 繁忙期とそうでない時期の差が激しい

  • 社内体制の変更で臨時の業務が増えている

  • 社内業務の属人化が進んでいる

人手が足りず業務が十分にこなせない

人手が足りない状態が続けば業務の質も落ち、顧客へのサービスにも影響していきます。業務内容の改善を行う余裕もない状況となれば、経営に大きな悪影響が出ることも少なくありません。人材不足はアウトソーシングで早急に解消し、必要なコア業務に社内の人材リソースを投入していきましょう。

業務が忙しくなり人材が流出している

業務が忙しくなり負荷が大きくなると、人材が流出して人材不足がさらに深刻化することも少なくありません。退職者が相次ぐと業務の引き継ぎも難しくなり、スムーズに業務が進行できないことから、さらに人材流出が加速するケースもあります。

忙しさが原因での人材流出がある場合、アウトソーシングで迅速に従業員の負担を軽減すると効果的です。アウトソーシングの活用により負荷の高い定常業務を減らせるため、無理なく必要な業務に集中できるようになります。

専門知識を持つ人材が不足している

人材が不足している状況でも、業務に必要な知識を持つ人材をすぐに採用するのは簡単ではありません。採用後に育成することもできますが、育成には手間も時間もかかります。

そこで、専門的な業務に対応できるアウトソーシングサービスを導入することで、人材採用の手間なくスピーディに専門知識を持つ人材の確保が可能です。自社で新規の採用を検討している場合でも、合間にアウトソーシングサービスを活用することで滞りなく業務を進行できます。

現状で人材不足が深刻ではなくても、将来に備えてアウトソーシングサービスを利用する選択肢を持っておくと良いでしょう。

繁忙期とそうでない時期の差が激しい

業務の忙しさに波がある場合、その波に合わせて人材を雇うのは困難です。その結果、繁忙期には少ない人員で業務を回さなければいけなくなったり、閑散期に手が余ってしまったりすることも少なくありません。

しかし、短期間のアウトソーシングをすれば、人材を増やしたい繁忙期にのみ人材を補充できます。閑散期には依頼する業務の量を減らし、費用負担を抑えることで効率的な業務進行が可能です。また、繁忙期の忙しさが和らぐことで従業員の負担も減少するため、より高いモチベーションで業務にあたれるようになるでしょう。

社内体制の変更で臨時の業務が増えている

事務所の引越しや移転、レイアウト変更などで臨時の業務が増えると定常業務が回らなくなることもあるでしょう。こうした状況で一時的に従業員の負担が増えてしまい、ストレスの増大につながるケースもあります。

内部の体制変更をはじめ、臨時の業務が増えるとわかっている場合、あらかじめアウトソーシングサービスを利用しておくと負担を大きく減らせます。アウトソーシングサービスがあるという安心感により、社内体制の変更に意欲的になる従業員の増加にもつながります。

社内業務の属人化が進んでいる

社内の業務が順調でも、個人の能力に頼って業務を回している状態では、異動や退職で該当の従業員が不在となったときの影響が大きくなります

また、明文化されていない業務が増え、新しく人材が入ったときに習得に遅れが出てしまうケースも少なくありません。

しかし、アウトソーシングサービスを導入すれば、準備段階で一旦業務内容の整理ができます。現状で属人化されている業務についても客観的に分析し、アウトソーシング先に回せるため属人化の進行を抑えることができます。

アウトソーシング活用例5選

ここからは具体的なアウトソーシングの活用例を5つ解説します。アウトソーシングサービスを導入して実際どのような効果が出るのか、確認したい方はぜひチェックしてください。

  • ①勤怠管理業務の代行で定常業務を楽に

  • ②気軽にSNSの運用ができる体制を構築

  • ③長時間の会議でも議事録作成の手間を減らせる

  • ④記帳代行の依頼でコア業務に集中できる

  • ⑤郵便物の発送代行で人手を抑えられる

①勤怠管理業務の代行で定常業務を楽に

勤怠管理業務(打刻データ)の集計業務にリソースが割かれていることを問題視していたA社。特に月末の業務が圧迫されており、大きな負担を感じていました。

そこで毎月の勤怠管理業務(打刻データ)の集計整理をアウトソーシングサービスに依頼し、期日までにデータを送付してもらう体制を作りました。打刻データはPDFでアウトソーシング先に共有した後、確認や集計、整理など時間のかかる部分はアウトソーシング先が担当します。その結果、30名あたりの勤怠管理集計にかかる時間が6時間短縮され、負担軽減につながりました。

勤怠管理に関する業務は従業員が多いほど大きな負担となります。しかし、毎月やることが決まっているため、アウトソーシングをすれば一気に負担を減らせる業務といえます。

②気軽にSNSの運用ができる体制を構築

小売業を営んでいるB社は、商品紹介の目的でSNSを運用しています。しかし、SNS運用にかかる手間を減らしたいと思い、SNS媒体での投稿チェックや投稿業務のアウトソーシングサービスに代行を依頼しました。アウトソーシング先では投稿内容をチェックし、問題があれば共有して修正したうえで指定の時間に投稿を行います

その結果、投稿1件あたり約1時間の稼働が削減され、より気軽にSNSの運用ができるようになりました。

③長時間の会議でも議事録作成の手間を減らせる

ベンチャー業を営むC社では、週に一度の定例会議における議事録作成の手間が問題視されていました。特に会議が長時間になると、音声データからの文字起こしにも時間がかかるため、会議の開催負担も重くなっていたといいます。

そこで、会議内容の文字起こしをアウトソーシングし、議事録作成のポイントを伝えました。その結果、会議2時間分の文字起こしで約10時間の稼働削減が叶い、負担を大きく減らすことができました

④記帳代行の依頼でコア業務に集中できる

日々の領収書の投入が追いつかず、記帳の負担に悩んでいたD社では、アウトソーシング先に領収書を渡し、記帳を依頼することで負担軽減を行いました。委託の際にはこれまで使用していた会計システムを指定し、そのまま経理業務に利用できる形にしています。

その結果、領収書300枚の記帳代行につき約6時間が削減され、領収書の処理がスムーズになりました。領収書の記帳業務は頻繁に発生するため、一括でアウトソーシングをすることで精神的な負担を大きく減らすことができます。

⑤郵便物の発送代行で人手を抑えられる

情報通信サービス業を営むE社では、郵便物の発送や中身の確認などに時間がかかることで悩んでいました。サービスを提供しているエンドユーザーごとに送付物を変える形式であったこともあり、人的リソースが多く割かれていた状況です。

そこで、E社ではエンドユーザーへの資料郵送作業、送付内容の確認をアウトソーシングしました。宛名の印字や封入まで丸ごと依頼することで、郵送業務そのものの手間を大きく減らしています。実際にアウトソーシングサービスを活用したことで、郵送物100通あたり約5時間の稼働削減につながりました

アウトソーシングで起こりがちな失敗例

ありがちな失敗を先に確認しておくことで、アウトソーシングのメリットをさらに活かすことが可能です。失敗例と失敗が起こりやすいシチュエーションを知り、アウトソーシングサービスの導入に役立ててください。ここでは、アウトソーシングで起こりがちな失敗例を6つ解説します。

  • 失敗例①ノウハウの蓄積ができず競争力が落ちた

  • 失敗例②従業員のモチベーションが低下した

  • 失敗例③アウトソーシングの費用が大きな負担になった

  • 失敗例④業務がブラックボックス化して改善できなかった

  • 失敗例⑤進捗の確認に遅れが出た

  • 失敗例⑥アウトソーシング先が自社のニーズに合わなかった

失敗例①ノウハウの蓄積ができず競争力が落ちた

アウトソーシング先に業務を任せきりにすると、その業務に関してのノウハウが蓄積できなくなります。もちろんすでに社内にノウハウがあり、その業務ができる人材がいる場合は、アウトソーシングによる影響は少ないでしょう。

しかし、あまりノウハウがない業務をそのまま任せると、アウトソーシングをやめて内製化に切り替える際に業務が滞ってしまいます。そのため、人材不足でアウトソーシングをする場合でも、ある程度のノウハウが必要です。

アウトソーシングの依頼をする前に、人材さえいれば自社でもこなせる業務なのかどうか確認しておきましょう。

失敗例②従業員のモチベーションが低下した

アウトソーシングがきっかけで業務経験が減少すると、従業員がスキルアップの機会を失いモチベーション低下につながることも少なくありません。

これまで自身が前向きに行っていた業務が委託されると、意欲の高い従業員ほど自身の能力が不十分だったのではと考え落ち込むケースもあります。仕事へのモチベーションが低下した結果、離職につながりさらなる人材不足が加速する恐れもあります。

また、社内周知が不十分なままアウトソーシングサービスを導入すると、業務の引き継ぎなどがうまくできずに社内混乱に陥ることもあるでしょう。

アウトソーシングサービス導入の際は、まず対象の業務を行っている従業員の意見を聞き、サービス導入の目的と今後の対応についてしっかりと周知することが重要です。

失敗例③アウトソーシングの費用が大きな負担になった

アウトソーシングには費用がかかるため、費用負担を十分に検討しないまま契約すると想定以上の出費につながります。費用面の負担からアウトソーシングする業務を減らそうと思っても、アウトソーシングをしていた期間が長ければノウハウが蓄積しておらず、内製化への切り替えができない状態となることも少なくありません。

その結果、アウトソーシングサービスを利用し続けなければいけない状況になれば、費用を減らせずに負担は増え続けます。

アウトソーシングサービスを利用する前に、費用の確認を行うとともに、費用が負担になる場合は内製化に切り替えることができるかどうか、慎重に検討してください。

失敗例④業務がブラックボックス化して改善できなかった

業務は基本的にアウトソーシング先の企業が行うため、業務がブラックボックス化されると、業務の分析や改善ができなくなることも少なくありません。

業務内容を詳しく確認して改善をしようと思い立っても、元々自社で業務を行っていたときとは、状況ややり方が大きく変わっていることもあります

業務のブラックボックス化が不安な場合、いきなりアウトソーシング先に業務を丸ごとお願いするのではなく、部分的に委託を行い状況を分析すると良いでしょう。

失敗例⑤進捗の確認に遅れが出た

業務をアウトソーシング先に委託すると、コミュニケーションが社内で完結しなくなるため進捗の確認も容易ではなくなります。そのため、委託した業務の進捗がわからなくなり、結果として業務に遅れが出ることもあるでしょう。顧客に関連するサービスの場合、コミュニケーション不足によりサービスの質が低下すれば売り上げにも影響します

そもそも、アウトソーシング先に任せきりの状態では、業務過程の把握ができず、業務内容のコントロールができなくなります。品質の担保も難しくなるため、綿密なコミュニケーションが必要とされる業務については自社で完結させることも検討しましょう。

失敗例⑥アウトソーシング先が自社のニーズに合わなかった

実績のあるアウトソーシング先でも、その企業が持つ特徴や経験が自社のニーズに合わない状況では、期待していたクオリティで業務が進まないこともあるでしょう。その結果、業務の質が担保できずに顧客にも影響が出たり、自社で業務を見直す必要が出たりするケースもあります

アウトソーシングを行う際は、アウトソーシング先が自社のニーズに適しているかどうか、安心して業務を任せられるだけのスキルがあるかどうかを慎重に確認しましょう。

アウトソーシングでの失敗を防ぐコツ

ここでは、アウトソーシングでの失敗を防ぐポイントを詳しく解説します。アウトソーシングサービスの導入に不安がある方は、ぜひ参考にしてください。

  • アウトソーシングに向いている業務を理解する

  • アウトソーシングする旨をしっかりと周知する

  • アウトソーシング先を慎重に選ぶ

アウトソーシングに向いている業務を理解する

アウトソーシングには、業務によって向き不向きがあるため、どのような業務をアウトソーシングすれば良いのかを理解することが重要です。アウトソーシングに向いているのは、次のようなノンコア業務です。

  • 専門性の高くない定常業務全般

  • ITシステム関連業務全般

  • 採用時の書類選考

  • データ入力など単純作業

  • カスタマー対応

自社の従業員でなくてもできる業務であれば、スムーズにアウトソーシングができるケースは多いといえます

アウトソーシングする旨をしっかりと周知する

トラブルを防ぐには、アウトソーシングサービスを導入することを、従業員を含む関係者にしっかりと周知することが重要です。具体的には何をアウトソーシングするのか、アウトソーシングの目的は何か、いつまでアウトソーシングをするのかを丁寧に説明しましょう。

社内の情報伝達が不十分だと、会社への不信感が生まれます。また、顧客対応の方法が変更となる場合、顧客に対してもサービス内容が変わる旨を事前に伝えましょう。導入について理解が得られない場合には、アウトソーシングを行うメリットを丁寧に説明するよう心がけ、無理に導入を進めることがないよう気をつけてください。

アウトソーシング先を慎重に選ぶ

アウトソーシング先を慎重に選ぶことも、失敗を防ぐうえでは重要です。アウトソーシングサービスを活用する体制が整っていても、アウトソーシング先が合わなければ失敗することもあるでしょう

アウトソーシング先は、料金や実績の数だけでなく、サービス内容や対応が自社に合っているかどうかを最優先にして検討してください。またスムーズな導入のため、自社で使用しているツールやシステムをそのまま使用してもらえるか、実際の費用はいくらかかるのかも確認しましょう。

自社に合うアウトソーシングサービスの選び方

アウトソーシングサービスを選ぶ際は、自社に合っているかどうかが非常に重要です。失敗のリスクを減らすため、アウトソーシング先は慎重に検討しましょう。ここでは次のとおり、自社に合うアウトソーシングサービス選びのポイントを4つ解説します。

  • 委託したい業務と依頼先の得意分野はマッチしているか

  • 必要な業務のみを委託できるか

  • スタッフと十分にコミュニケーションできる環境があるか

  • 担当者の対応は信頼できるか

委託したい業務と依頼先の得意分野はマッチしているか

高いレベルで業務をこなしてもらうには、委託したい内容とアウトソーシング先の得意としている分野がマッチしていることが重要です。

アウトソーシング先に実績があっても、依頼したい分野と合っていない状態ではアウトソーシングの効果が十分に発揮されず、結局チェックや修正などで時間を取られる可能性もあります

そのため、アウトソーシング先を選ぶ際は、具体的にどのような業務に対応しており、どのような企業での実績があるのかを確認してください。自社と似た事業内容での実績が豊富にある場合は、選択肢のひとつとして考えても良いでしょう。

必要な業務のみを委託できるか

アウトソーシングサービスを探す際は、必要な業務のみを委託できるかも重要です。多様なサービスに対応しているアウトソーシングサービスは少なくないものの、基本的には依頼する業務が増えるほど費用負担は増加します。また、本来自社内でやるべき業務まで委託してしまうと、ノウハウが獲得できず競争力低下につながるため注意が必要です。

アウトソーシングサービスは非常に便利ですが、実際に委託するのはどうしても必要な業務のみに留めましょう。ただし、検討の結果、複数の業務を依頼したいときは月額制で複数のサービスに対応しているアウトソーシング先がおすすめです。

月額制のアウトソーシングサービスであれば、固定報酬でさまざまな業務を一気に依頼できます。

スタッフと十分にコミュニケーションできる環境があるか

アウトソーシング先のスタッフとは、綿密なコミュニケーションができる環境を整えておきましょう。アウトソーシング先のスタッフと十分なコミュニケーションが取れない状況では、業務の進行に遅れが出る可能性もあります。

スタッフと十分にコミュニケーションができるかどうか、社内で使用しているコミュニケーションツールがそのまま利用できるかどうか、事前に確認しましょう

なお、アウトソーシング先のスタッフが自社に出勤するスタイルのアウトソーシングサービスであれば、スムーズなコミュニケーションが可能です。顔の見えないやり取りに不安がある方は、アウトソーシング先のスタッフと直に話せるサービスを選びましょう。

担当者の対応は信頼できるか

アウトソーシング先を決めるうえでは、担当者の対応も重要です。サービス内容や費用について丁寧な説明があり、対応が早い担当者は信頼度が高いです。

アウトソーシングサービスを展開している企業は非常に多いため、最終的には安心して任せることができる担当者かどうかを重視しましょう

また、可能であれば、実際に作業を行うアウトソーシング先スタッフとの相性も事前に確認できると安心です。

おすすめのアウトソーシングサービス3選

アウトソーシングサービスの選び方はわかったものの、実際にどのようなサービスがあるのか疑問に感じている方は多いでしょう。ここでは、次のとおり幅広い業務を依頼できる、おすすめのアウトソーシングサービスを3つ紹介します。

  • ①カチアルサポート|NTT印刷株式会社

  • ②セイヤク|株式会社ウィルオブ・ワーク

  • ③情シスSourcing|ハイブリィド株式会社

①カチアルサポート|NTT印刷株式会社

カチアルサポートは、経理や営業事務、秘書的サポートなどさまざまな業務をまとめて依頼できるアウトソーシングサービスです。バックオフィス業務をまとめて外注したい方、それぞれ外注先を探すことが大変と感じる方におすすめです。

一般的なアウトソーシングサービスでは、外注先スタッフとコミュニケーションが問題となるケースが少なくありません。しかし、カチアルサポートの担当者はサービス提供元拠点に出社して対応するため、その場でコミュニケーションが取れる点がメリットです。

カチアルサポートには初回限定エントリープランもあり、初期費用を抑えて試しにアウトソーシングサービスの導入ができます。アウトソーシング先で迷っている方は、ぜひカチアルサポートをご検討ください。

サービス名

カチアルサポート

費用

初回限定エントリープラン 43,000円(税抜)/月(税込47,300円)
月内利用時間 12時間、契約月数3カ月

ライトプラン       55,000円(税抜)/月(税込60,500円)
月内利用時間 12時間、契約月数3カ月

スタンダードプラン    118,000円(税抜)/月(税込129,800円)
月内利用時間 30時間、契約月数6カ月

プロプラン        106,000円(税抜)/月(税込116,600円)
月内利用時間 30時間、契約月数12カ月

業務範囲

経理、営業事務、秘書など

特徴など

100%正社員の厳選されたスタッフ

業務の自由な組み合わせが可能

スタッフはサービス提供元拠点に出社して対応

参考:NTT印刷株式会社 カチアルサポート

②セイヤク|株式会社ウィルオブ・ワーク

株式会社ウィルオブ・ワークの「セイヤク」は、BtoB特化の営業代行サービスです。営業リスト作成やアポイントメントの獲得、顧客の育成など幅広い営業活動をサポートしており、専門チームが柔軟に対応を行う点が魅力です。

さらに、拠点は全国50カ所以上にあり、幅広いエリアで営業のプロの力を借りることが可能です。独自研修を受けた正社員が集中的にサポートを行うため、短期間での営業力アップも狙えます。

また、セイヤクでは各種代行サービスのほか、営業研修も実施しているため、自社従業員のスキルアップもサポートしています。営業に関連する業務全体を見直したい場合におすすめです。

サービス名

セイヤク

費用

要相談

業務範囲

営業リスト作成、アポイントメント獲得、顧客育成など

特徴など

BtoB特化の営業代行で効率的な成約をめざせる

依頼先ごとに専門チームを結成

独自研修を受けた正社員が固定で対応

参考:株式会社ウィルオブ・ワーク セイヤク

③情シスSourcing|ハイブリィド株式会社

ハイブリィド株式会社の情シスSourcingは、実際の開発・プログラミングのほか、企画段階でもサポートを行うサービスです。幅広いIT関連業務を半日19,800円から依頼できるため、人材を新規で採用するほどの業務ではないけれど専門知識を持った人材がほしい、というシーンに向いています。なお、長期で依頼したいことがある場合は、月額プランも選択可能です。

また、情シスSourcingでは、運用や保守、業務改善の提案やアドバイスも行うため、アウトソーシングをきっかけにシステム関連の業務を改善したい企業にもおすすめです。

サービス名

情シスSourcing

費用

チケット価格プラン1チケット(0.5人日):19,800円〜

月額固定価格プラン:月額400,000円

業務範囲

企画、開発、プログラミング、運用、保守など

特徴など

チケット制により小規模なタスクも依頼可能

業務改善に関するアドバイスも実施

月額プランも選択可能

参考:ハイブリィド株式会社 情シスSourcing

まとめ:アウトソーシング成功にはアウトソーシング先選びが重要

今回はアウトソーシングの基礎事項と具体的な活用例、アウトソーシングでの失敗例とアウトソーシング先の選び方などについて解説しました。

<記事まとめ>

  • アウトソーシングには多数のメリットがあるものの、どの業務を依頼すべきか、どの企業に依頼すべきかによって結果は変わる
  • アウトソーシングサービスを導入するだけでは失敗してしまうケースもある
  • 成功例を参考にしつつ、アウトソーシングのメリットをうまく活かせるよう工夫することが重要

アウトソーシングサービス導入の際は、サービス内容や費用だけでなく社内の体制確認も必須です。現場の意見を聞かずにアウトソーシングするといったことが起こらないよう、社内周知を徹底してください。