採用難を背景に、最近では企業自ら候補者にアプローチをする「スカウト型採用」が注目されています。しかし、
「応募者対応など他の業務に稼働が取られてしまい、スカウトに手が回らない」
「スカウト媒体が多すぎてどれを選べば良いか分からない」
といった課題を抱える企業担当者は多いのではないでしょうか。
スカウト型採用の運用リソースやノウハウの確保が難しい企業において、スカウト代行サービスの活用が広まっています。
今回は、スカウト代行サービスに委託できる業務や選定時のポイント、おすすめサービスについて紹介します。
採用手法の一つである「スカウト」は、企業が自ら求職者を探し出し、直接アプローチする手法です。自社の求めるスキルや経験を持つ人材をターゲットにして行われ、一般的にはスカウト媒体を用いて企業から求職者にスカウトメッセージを送ります。
スカウト媒体の選定やスカウト候補者のピックアップ、スカウトメールの作成などの業務を、企業に代わって行うのが、スカウト代行サービスです。
企業の採用活動をサポートするサービスとして、採用エージェント(人材紹介)も存在しますが、サービスの目的や委託できる業務内容が異なります。
採用エージェント(人材紹介)は、求職者と企業のマッチングを目的としており、候補者の選定や推薦、応募者対応などを行います。
スカウト代行サービスは、提供される内容によって大きく4つに分類することができます。
採用代行型(RPO)
スカウト代行特化型
領域特化型
フリーランスマッチング型
それぞれの概要を下記にまとめます。
種類 | メリット | デメリット |
採用代行型(RPO) | ・スカウト以外にも採用業務全般を依頼でき、業務効率化につながる | ・依頼できる範囲が広い反面、費用が割高になる傾向がある |
スカウト代行特化型 | ・スカウトに関する知見や独自のノウハウを持っている | ・スカウト以外の採用手法を委託できない |
領域特化型 | ・特定の領域や業界の知見やノウハウが豊富 | ・依頼できる領域や業界が制限される |
フリーランスマッチング型 | ・フリーランスに依頼するため企業よりも柔軟性が高い傾向 | ・個人の品質にバラつきがある |
採用代行型はRPO(Recruitment Process Outsourcing)とも呼ばれ、採用プロセスの全体または一部を外部の専門業者に委託するサービスです。スカウト業務に限らず、求人広告の作成や応募者管理、面接の調整など、採用に関わるさまざまな業務の代行に対応しています。
採用代行型(RPO)のメリットは、採用全体をトータルでサポートしてくれるため、企業側の負担が大幅に減るといった点です。
工数が大幅に不足しており、スカウトのみならず包括的に採用支援を受けたい、といった企業におすすめです。
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スカウト代行特化型は、スカウト業務に特化したサービスで、企業が求める人材を探し出し、アプローチする部分に特化して代行します。採用代行型(RPO)と比較して、スカウト媒体やスカウトメッセージの作成方法などに深い知見を持ち、独自のノウハウがある傾向があります。
スカウトに集中して業務を進めるため、自社に合った人材を素早く見つけやすく、コストも採用代行型より比較的安価な場合が多い点がメリットです。
効率的に候補者をリサーチし、最適な候補者を見つけ出してアプローチする部分をサポートしてほしい、といった企業におすすめです。
領域特化型は、特定の業界や職種に特化したスカウト代行サービスです。例えば、ITエンジニアや医療専門職、営業職など、特定の分野に精通した代行業者が、ニッチな人材を見つけ出してくれます。
その業界特有のニーズやトレンドを理解しているため、通常では見つけにくい人材も効率的にスカウトすることが可能です。
特定職種の採用に課題を抱えている、自社の採用担当者が特定の職域について知見を持っておらず、効果的なスカウトを送ることができない、などといった課題を持つ企業におすすめです。
フリーランスマッチング型は、採用の知識やノウハウを持ったフリーランスにスカウト業務を委託するものです。
個々の知識やスキルにバラつきがあるため、品質の担保が困難である場合があるものの、他のタイプに比べて比較的安価にサービスを利用することができます。
採用費用を大きく捻出できない、そこまで大量のスカウト配信を必要としていない、といった企業におすすめです。
スカウト代行に依頼できる主な業務は以下のとおりです。
スカウト媒体の選定
スカウト候補者のリストアップ
スカウトメールの文面作成・送信
返信があった候補者への対応
効果測定とレポートの提出
ただ、サービスによって対応範囲は異なるため、必ず事前に確認しましょう。
スカウト代行サービスでは、企業のニーズやターゲットとなる人材の属性に応じて、最適なスカウト媒体を選定します。
例えば、エンジニアなどの専門スキルを持つ人材を求める企業であれば、特定の職種に特化した求人サイトなどが有効です。一方で、若手のポテンシャル層を狙う場合は、企業公式のSNSアカウントや、大学のキャリアセンターと連携したサービスなどが効果的です。
スカウト代行サービスは、媒体ごとの特性などに関して深い知見を持っているため、数多くある媒体の中から最適なものを選択し、ターゲットとなる候補者にリーチすることができます。
また、スカウト媒体は定期的に見直し、効果が低い場合には別の媒体へ切り替えるといった判断も必要です。スカウト代行サービスはこのような見直し、改善もサポートしてくれることが多く、常に最新のトレンドに基づいて企業が優秀な人材を確保できるようサポートしてくれます。
スカウト代行サービスでは、求人媒体や就職サイトなどに登録されている人材データベースから、企業の求める人物像やポジションに基づいて、マッチする候補者のリストアップを行います。
リストアップするためには、過去の職務経験やスキルセット、資格、居住地などの個人データを分析し、企業の採用要件に合致する候補者であるかどうかを判断することが必要です。人材データベースから検索する際の条件は、粒度が粗すぎても自社にマッチしない人材が含まれてしまい、細かすぎても候補者が少なすぎてしまいます。このような調整が難しい作業であっても、スカウト代行サービスなら検索方法や条件などに関する知見を持っているため、安心して任せることができます。
スカウトメールは大きく分けて「一括送信」と「個別送信」の2つのパターンがあります。一括送信は、複数の候補者に同一のスカウト文面で送信することで、個別送信は、候補者一人ひとりのプロフィールに合わせて文面をカスタマイズして送信することです。
スカウトメールの文面作成のポイントは、企業の魅力や採用条件の詳細、候補者に対する期待やメリットを強調することで、候補者が「この会社で働いてみたい」と感じるような内容を作り上げることです。また、個別にカスタマイズされた文面の場合は、候補者は自身が特別に選ばれたと感じやすく、返信率の向上につながります。
スカウト代行サービスは、このような細やかなアプローチを効率的に行い、ターゲット層に向けて大量のスカウトメールを短時間で送信することが可能です。これにより、採用活動全体のスピードアップも期待できます。
ただ、スカウト代行サービスによっては個別送信に対応していない場合もあるため、事前に確認するようにしましょう。
スカウト代行サービスによっては、返信があった候補者に対する一次返信やその後の選考の日程調整まで対応しています。
例えば、スカウトメールに返信があった場合、候補者がどのような質問を持っているか、またどのような懸念を抱いているかを正確に把握し、それらに対して回答します。候補者が抱く不安を解消し、候補者が興味を持つポイントをさらに強調することで、候補者の興味を維持しつつ次のステップへスムーズに進めることにつながります。
また、面接の日程調整や必要書類の案内など、候補者とのコミュニケーションにおける煩雑な作業をスカウト代行サービスに任せることで、自社の担当者は他の業務に集中することができます。候補者に対してもスムーズでストレスのない採用プロセスを提供することができ、企業の印象を良くする効果も期待できるでしょう。
スカウト代行サービスの中には、実施したスカウト活動の結果分析や効果測定に対応しているものもあります。
具体的には、送信したスカウトメールの開封率や返信率、実際に採用に至った候補者の数など、さまざまな指標を用いて評価を行います。これにより、どの媒体が最も効果的であったか、どのような文面が候補者の関心を引いたか、といった具体的なデータを得ることが可能です。
さらに、サービスによっては、これらのデータをもとにしたレポートの提出にも対応しています。改善点や次回のスカウト活動に向けた提案などを含むレポートにより、企業は今後の採用活動をより効率的に行うための貴重な情報を得ることができ、結果として優秀な人材の獲得につながるでしょう。
レポートの提出頻度などは、スカウト代行サービスによって異なるので事前に確認しておくことがおすすめです。
スカウト代行サービスは、企業の採用活動にさまざまなメリットをもたらします。スカウト代行サービスを活用する主なメリットは以下の5つです。
採用業務を効率化できる
採用の質向上が期待できる
転職潜在層にアプローチできる
採用のノウハウを得られる
採用のミスマッチを抑える
スカウト代行サービスを利用することで、企業は採用業務を大幅に効率化することができます。
一般的に採用活動は多くのステップが含まれており、自社内で全て管理することは大きな負担です。特にスカウト業務は、媒体選定や候補者のリストアップ、スカウトメールの作成など、手間と時間のかかる作業が多くあります。これらの業務をスカウト代行サービスに委託することで、企業は時間と労力を大幅に削減することができ、他の業務に専念できるようになります。
採用プロセスを効率化させることは、優秀な人材の採用機会を創出し、ひいては企業の成長を促進することにもつながるでしょう。
スカウト代行サービスを利用することで、採用の質向上も期待できます。通常の求人広告や採用サイトを利用した採用活動では、企業の魅力を正確に伝えることが難しかったり、ターゲットとなる候補者にリーチできなかったりすることがあります。しかし、スカウト代行サービスでは、企業が求める具体的な人材像を詳細にヒアリングし、それに基づいて候補者に対して直接アプローチを行います。
また、スカウト代行サービスは、ターゲット候補者に対してどのようにアプローチすれば興味を引くことができるかを熟知していることが多くあります。そのため、より精度の高いスカウト活動が実現し、企業が求める優秀な人材を獲得できる確率が高まるでしょう。
さらに、スカウト代行サービスによっては、企業のカルチャーやビジョンに合った候補者を見極めることにも注力してくれます。単にスキルや経験だけでなく、企業にマッチする人物像を見つけ出すことで、採用後の定着率やパフォーマンスの向上にもつながります。
転職潜在層とは「今はまだ転職する気はないが、良い縁があれば転職も検討する」と考えている層を指します。
一般的な求人広告では、積極的に転職活動を行っているアクティブ層にしかリーチできないことが多くありますが、スカウト代行サービスを利用することで、転職潜在層へ対するアプローチが期待できます。
転職潜在層は、現在の職場で一定のスキルや経験を積んでおり、また企業への帰属意識が高い場合が多くあるため、転職を考える際には慎重に行動します。スカウト代行サービスは、このような候補者に対して、企業の魅力やキャリアアップの機会を的確に伝えることで興味を引き、転職を検討させるきっかけを作ります。
さらに、転職潜在層へのアプローチは、競合他社がまだアプローチしていない人材を確保するチャンスを広げることにもつながります。市場に出回っていない優秀な人材を早期に確保できることは、企業にとって大きなアドバンテージとなるでしょう。
スカウト代行サービスを活用することで、企業は採用のノウハウを得ることができます。特に、採用活動に不慣れな企業や採用活動の効率化を図りたい企業にとって、スカウト代行サービスの専門的な知識と経験は非常に貴重です。
スカウト代行サービスは、ターゲットとなる人材に対してどのようにアプローチすればよいのか、どのような媒体が効果的か、そしてどのようなタイミングでアクションを起こすべきかといった具体的な戦略を提供してくれます。
また、スカウトメールの文面作成や候補者とのコミュニケーションにおいても、効果的な方法を学ぶことができるでしょう。
将来的に自社で採用活動を行うことになったとしても、これらのノウハウを活かすことで、採用活動の質を維持・向上させることが期待できます。
スカウト代行サービスは、単なる業務の代行だけでなく、企業にとって価値ある採用ノウハウを提供するパートナーといえるでしょう。
スカウト代行サービスの活用は、採用のミスマッチを抑えることも期待できます。採用のミスマッチは、企業にとって大きなコストとリスクを伴う問題です。特に、候補者が企業のカルチャーに合わなかったり、実際の業務内容に適応できなかったりする場合、早期退職や業績低下などの問題につながりかねません。
スカウト代行サービスは、企業がこのようなリスクを最小限に抑え、より適切な人材を採用できるようサポートします。
スカウト代行サービスでは、企業のニーズや文化、ビジョンを詳細にヒアリングし、それに基づいて最適な候補者をリストアップします。単にスキルや経験だけでなく、企業の価値観やチームとの相性も考慮することで、候補者が企業にマッチするかどうかを慎重に見極めます。これにより、採用後のギャップを最小限に抑え、長期的に企業に貢献できる人材を確保することができるでしょう。
採用のミスマッチを防ぐことは、企業の生産性や一体感を高めるだけでなく、採用コストの削減にもつながります。このようにスカウト代行サービスは、企業が持続的に成長するための人材確保をサポートしてくれます。
さまざまなメリットがある一方、スカウト代行サービスには以下のようなデメリットもあります。これらのデメリットを理解し、適切に対処することで、スカウト代行サービスの利用をより効果的に進めることができます。
サービスによって品質が異なる
社内にノウハウを蓄積できない
導入までにタイムラグがある
スカウト代行サービスを利用する際のデメリットの一つは、サービスによって品質が大きく異なることです。
スカウト代行サービスは数多く存在しますが、それぞれが持つスカウト方法やターゲット候補者のリストアップ手法、スカウトメールの作成技術などは一律ではありません。そのため、選んだサービスによっては、期待していたほどの効果が得られない場合や、逆に企業のブランドイメージに悪影響を及ぼす可能性もあります。
サービス選びを誤ってしまうと、時間やコストが無駄になるだけでなく、採用活動自体が非効率なものとなる恐れもあるでしょう。
これらのリスクを抑えるためには、スカウト代行サービスの選定において慎重なリサーチが欠かせません。いくつかのサービスを比較検討した上で自社に適したサービスを選ぶことで、スカウト活動の成功につながります。
前項では、スカウト代行サービスを活用するメリットの一つとして「スカウトのノウハウを得られる」という点を解説しました。しかしその一方で、スカウト代行サービスに業務を任せきりにしてしまうと、知識や経験が社内に蓄積されないといったリスクが伴います。
その場合、将来的に自社でスカウト活動を行う際に、どの媒体を利用すべきか、どのように候補者にアプローチすべきかが分からないといったことになりかねません。
こういったリスクを防ぐためにも、スカウト代行サービスを利用する際は社内の担当者がスカウト活動のプロセスに関与し、知識の共有を受けることが重要です。
例えば、スカウト活動の進捗や効果測定の結果を確認し、サービス業者からフィードバックを受けることで、少しずつ社内にノウハウを蓄積していくことが可能です。
業務を丸投げにするのではなく、サービス業者と定期的にミーティングを行う、不明な点は適宜質問するなど、自社でもノウハウを溜めていけるよう自主的に動くように意識しましょう。
スカウト代行サービスの導入までにタイムラグが生じる点もデメリットとして挙げられます。スカウト代行サービスを利用する際には、まず自社のニーズや求める人材像を詳細に伝える必要があります。その後、これらの情報をもとにサービス業者が戦略を立て、候補者のリストアップやスカウトメールの作成などを行うため、実際にスカウト活動が開始されるまでに一定の時間がかかることがあります。
特に、急ぎで人材を確保したい場合や、採用スケジュールがタイトな場合には、このタイムラグが大きな問題となることがあるでしょう。
スカウト代行サービスを利用する際には、あらかじめスケジュールを十分に確認し、余裕を持って依頼を開始することが重要です。また、採用条件や任せたい業務を事前にまとめておくなど、スムーズに導入できるよう準備をしておくことがおすすめです。
こうした準備を怠らないことで、タイムラグによるリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
スカウト代行サービスを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。自社のニーズに適したサービスを選ぶことで、採用活動の効率や効果が大きく向上し、優れた人材を確保するチャンスが広がるでしょう。
具体的なサービス選定ポイントは以下の5つです。
業務の対応範囲
同業種または同職種での実績
サービスの柔軟性
料金形態
セキュリティレベル
スカウト代行サービスを選ぶ際には、まず業務の対応範囲を確認することが重要です。サービスによって、対応可能な業務の範囲には違いがあります。
例えば、スカウト候補者のリストアップやスカウトメールの作成・送信、さらに候補者からの返信対応や効果測定までを一括で対応してくれるサービスもあれば、一部の業務のみをサポートするサービスもあります。
自社が求めるスカウト活動の全体像や現状のリソースを把握し、それに合った対応範囲を持つサービスを選ぶことが重要です。
業務の対応範囲を確認するには、具体的なサービス内容や、どのようなプロセスでスカウト活動が進められるかをサービス業者にヒアリングし、納得のいく説明を受けることが大切です。
サービスによっては、特定の業種や職種のスカウト代行に強いサービスも存在します。
そのため、スカウト代行サービスを選ぶ際には、同業種または同職種での実績についても確認しましょう。
業界や職種によって、求められるスキルや経験、さらには企業文化や候補者の属性も異なります。特定の業種や職種に特化した実績を持つスカウト代行サービスであれば、ターゲットとなる候補者に対してより効果的なアプローチを行うことが期待できます。
具体的には、サービス業者の公式サイトなどを通じて、過去にどのような企業と取引を行い、どのような成果を上げてきたかを確認しましょう。
実績が明確で信頼性の高い業者であれば、採用活動の成功率も高まることが期待できます。
スカウト代行サービスを選ぶ際には、サービスの柔軟性も重要なポイントとなります。企業ごとに採用ニーズや条件は異なるため、それらに応じた柔軟な対応ができる業者を選ぶことが求められます。
たとえば、サービス導入後に「採用ターゲットを変更したい」「スカウトメールの送信数を増やしたい」など、依頼内容を変更したい場面も想定されるでしょう。このような場合に迅速に対応してくれるサービス業者であれば、安心してスカウト活動を任せることができます。
変更の際には別途料金が発生するのか、変更されるまでにどれくらいの期間がかかるかなどもあらかじめ確認しておくとトラブルを回避できます。
また、コミュニケーションの頻度やレポートの形式、候補者とのやり取りの方法など、細かな部分での柔軟性もチェックしておくと良いでしょう。
サービスの柔軟性を確認するには、サービス業者との事前の打ち合わせが欠かせません。自社で起こりうる具体的なシナリオを想定し、それに対してどのような対応が可能かを確認することで、自社が求める柔軟性を持った業者を選定することが可能です。
柔軟な対応が可能なサービス業者であれば、変化の多い採用環境にも適応しやすく、その時々のニーズに合わせた最適なスカウト活動を実現することができるでしょう。
料金形態もスカウト代行サービスを選ぶ際の重要な選定基準です。スカウト代行サービスの料金形態は、業者やサービス内容によって大きく異なります。
安さだけを追求するのではなく、支払う費用に見合った価値(サービスの質や付加価値)を提供してくれるかどうかを評価しましょう。
また、隠れたコストや追加料金が発生しないかどうか、契約条件を詳細に確認することで、後々のトラブルを防ぐことができます。
スカウト代行サービスの主な料金形態は以下のとおりです。
料金形態 | 特徴 |
月額型 | ・毎月一定額の料金がかかる料金形態 |
従量課金型 | ・スカウトの通数によって料金が加算される料金形態 |
成果報酬型 | ・内定数や入社数に応じて費用が発生する料金形態 |
スカウト代行サービスを選ぶ際には、セキュリティレベルも非常に重要なポイントです。
スカウト活動では、企業の内部情報や候補者の個人情報が扱われるため、これらの情報が適切に保護されているかどうかを確認する必要があります。
情報漏えいや不正アクセスによるリスクを抑えるため、スカウト代行業者がどのようなセキュリティ対策を講じているかを事前にチェックしましょう。
具体的には、データ暗号化、アクセス管理、定期的なセキュリティチェックなど、業者のセキュリティポリシーと実施されている対策を詳細に確認します。
セキュリティレベルの高さを証明する基準として、プライバシーマーク(Pマーク)や情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)などがあるので、これらに注目してみるのもおすすめです。
さらに、万が一の情報漏えいやセキュリティインシデントが発生した場合の対応策や、責任の所在についても事前に確認しておくことが大切です。サービス業者がインシデント対応のプロセスを持ち、迅速かつ適切に対応できる体制を整えているかどうかを確認することで、安心してスカウト活動を依頼することができます。
セキュリティ対策が不十分な業者を選んでしまうと、企業の信用が損なわれるだけでなく、法的なリスクも発生する可能性があるため、慎重に選定しましょう。
スカウト代行サービスの内容や料金は、サービスを提供する業者によって違いがあります。あらゆる角度から各サービス業者を比較し、自社に合った業者を選びましょう。
ここでは、おすすめのスカウト代行サービスを10社紹介します。
採用代行型
ネオキャリア|株式会社ネオキャリア
CASTER BIZ recruiting|株式会社キャスター
まるごと人事|マルゴト株式会社
HeaR採用代行|HeaR株式会社
uloqo RPO|株式会社プロジェクトHRソリューションズ
スカウト代行特化型
offerBrain|イノープ株式会社
PRO SCOUT|株式会社VOLLECT
ダイレクトソーシング|株式会社ダイレクトソーシング
フリーランスマッチング型
WHOM|株式会社WHOM
CORNER|株式会社コーナー
出典:採用代行ネオキャリア
採用代行ネオキャリアは、採用に関する業務を全面的にサポートします。
年間1万件以上の採用に関わっており、ノウハウや実績が豊富で人気のサービスです。
国内に5拠点ある自社保有センターがあり、災害時でも稼働ができる点はネオキャリアならではの強みといえるでしょう。
サービス名 | 採用代行ネオキャリア |
費用 | 個別相談 |
業務範囲 | 採用計画/戦略立案・スカウト・求人媒体運用・エージェント対応など |
特徴 | ・年間10,000件以上の実績 ・自社保有センター全国5ヶ所 ・高いセキュリティとクオリティ |
公式サイト | https://www.neo-career.co.jp/lp/rpo/ |
参考:採用代行ネオキャリア
出典:CASTER BIZ recruiting|株式会社キャスター
CASTER BIZ recruitingは、500社以上の実績を持つ採用代行サービスで、スタートアップ・ベンチャー・IT企業の採用支援実績が豊富なことが特徴です。
採用のプロが4名体制で企業をサポートし、チームならではのスピード感に加え、戦略立案、日程調整、ライティングなど各分野に強みを持つ人員での構成のため、効果的に採用業務が進みます。
サービス名 | CASTER BIZ recruiting |
対応業務 | 応募者対応・スカウト・求人媒体運用・エージェント対応など |
費用 | スタンダードプラン 400,000円(税抜)/月(税込440,000円) 70時間/月・3ヶ月からの契約 ロングプラン 392,000円(税抜)/月(税込431,200円) 70時間/月・6ヶ月からの契約 |
特徴 | ・採用のプロが3名体制(リクルーター・応募者対応・原稿担当)でサポート ・戦略立案を含む一連の採用業務が可能(採用広報等はオプション) |
公式サイト | https://recruiting.cast-er.com/ |
まるごと人事は、ベンチャー・成長企業向けの「月額制の採用チーム」を謳っている採用代行サービスです。採用業務の設計から運用、改善までほぼすべての業務を代行可能で、契約継続率95%という実績を誇ります。
支援業務の40%がエンジニア職種のため、エンジニア採用の知見が豊富な点も特徴です。最短1ヶ月から契約可能で、最短5営業日で採用チームがアサインされます。
サービス名 | まるごと人事 |
対応業務 | 応募者対応・スカウト・求人媒体運用・エージェント対応など |
費用 | 初期費用 100,000円(税抜) |
特徴 | ・採用実績470社以上、契約継続率95%以上という豊富な実績 |
公式サイト | https://marugotoinc.jp/ |
HeaR採用代行は、採用のプロが運用、改善、提案までを並走する採用代行サービスです。
採用コンサルタントと運用担当の2名体制で企業をサポートし、スピーディーにPDCAを回します。企業ごとの課題に合わせたオーダーメイド型のプランにも対応しており、契約時に設定した稼働工数内であれば、幅広く柔軟に対応が可能です。
また、媒体毎の最適なスカウト文面や送付タイミング・エージェント毎の紹介パフォーマンスなどを可視化・分析できる独自ツールを所有しているのも特徴です。
サービス名 | HeaR採用代行 |
対応業務 | 求人媒体運用・スカウト・採用広報・面接など |
費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・採用コンサルタントと運用担当の2名体制での支援 ・支援プランはオーダーメイド型 |
公式サイト | https://hear-rpo-lp.com/ |
offerBrainは、 スカウトの文面作成、送信、分析業務まで完全内製化しているスカウト代行特化サービスです。社内リソースをスカウト関連業務のみに選択集中しているため、対応スピードにも自信を持っています。
月3万通以上のスカウトを送信、分析し、分析結果を元に社内メンバーでの共有会を定例実施しており、社内に貯まったナレッジをもとに、企業の採用要件に合わせたスカウト最適解を見つけ出します。
原則1人の専任担当者が企業をサポートし、週次の打ち合わせを行うため、急な採用状況の変化や要望をヒアリングできる体制を構築しています。
サービス名 | offerBrain |
対応業務 | スカウト媒体選定・スカウト文面作成・候補者ピックアップ方法の選定・スカウト送信・文面ABテスト・結果分析と改善 |
費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・月3万通以上のスカウトを送信、分析 ・文面や送信方法など、ABテストを繰り返す |
公式サイト | https://offerbrain.jp/ |
PRO SCOUTは、スカウト送信をメインに、その後の入社承諾するまでを⼿厚くサポートするサービスです。スカウト特化で700社以上の支援実績を持ち、日本初のダイレクトリクルーティングに関する書籍出版などを果たしています。
エンジニア採用の案件には元エンジニアが担当するなど、現場の採用要件を深く理解できるコンサルタントがサポートします。また、ISMS認証を取得しており、セキュリティ面も安心できるサービスです。
サービス名 | PRO SCOUT |
対応業務 | 戦略策定・募集要項作成・配信スケジュール作成・スカウト文面作成・配信・カジュアル面談 |
費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・職種や業種に精通したプロフェッショナルがサポート |
公式サイト | https://vollect.net/proscout/ |
ダイレクトソーシングのスカウト特化RPOサービスは、ソーシングのプロが、採用要件にマッチした候補者をダイレクト採用メディアの中から見つけ出し、面談へとつなげるサービスです。約60万件の採用データを活用し、企業に合わせたコンサルティングを実施します。
担当者の多くは、実際に現場で働いていたエンジニアやマーケター、セールスなどです。そのため、企業ごとの採用要件の理解が早いことも強みです。
ダイレクトソーシングでは、全ての採用媒体を統括した専用レポートを作成します。これを活用することで、ボトルネックの把握や改善が可能です。
サービス名 | ダイレクトソーシング |
対応業務 | プランニング・メディア選定・ソーシング・送信・返信対応・採用管理ツール登録・課題検証 |
費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・AIエンジニアやデータサイエンティスト、研究者などの採用が難しい職種の採用実績が多い ・月のスカウト送信数に応じてプランが分かれている |
公式サイト | https://directsourcing-lab.com/ |
WHOMは、採用を強化したい企業とスキルを活かしたいプロのリクルーターをつなぐマッチングプラットフォームです。
書類や面談を通じて審査に通過した経験豊富な人材が在籍しており、その中から採用課題にマッチした人材を提案してくれます。
例えば、ハイクラス採用やエンジニア採用などの専門性の有無、業界・業種の経験などといった条件から、最適な実務者を選定、提案します。海外現地提携リクルーターも広く在籍しているため、外国人の採用や海外進出時の人材採用まで対応可能なことも特徴です。
また、契約の前に複数名の候補者と面談をし、依頼する人材を選ぶことができるため安心にもつながります。
サービス名 | WHOM |
対応業務 | 採用戦略立案・スカウト・採用広報・エージェントマネジメントなど |
費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・審査を通過したプロ人材が500名以上在籍 ・契約前に実務者との面談あり |
公式サイト | https://whom-hr.co.jp/ |
CORNERは、採用、労務、制度設計、組織・人材開発など企業の幅広い組織・人事課題を解決するサービスです。数千人のプロフェッショナル人材が登録しており、スタートアップCHROや大手企業人事の経験者など経験豊富な人材が登録しています。
週1日だけなど柔軟な対応が可能で、必要な業務を必要なタイミングにだけ依頼できます。
サービス名 | CORNER |
対応業務 | 母集団形成・スカウト・面接など |
費用 | 例)週2日のダイレクトリクルーティング:月額200,000円 |
特徴 | ・フリーランス人材や副業人材と契約 ・採用業務に限らず人事業務全般の代行が可能 |
公式サイト |
まずはリーズナブルに低リスクでスカウトメールの送信代行を試してみたい、という場合は、NTT印刷株式会社が提供するカチアルサポートの採用支援オプションがおすすめです。
カチアルサポートは、月額43,000円(税込47,300円)からとリーズナブルな料金体系で利用することができます。
契約期間は3ヶ月〜ですが、採用以外のバックオフィス業務にも対応しており、依頼業務は組み替えることができるため「契約したものの活用しきれなかった」というようなリスクを抑えることが可能です。
採用業務と合わせて他のバックオフィス業務をアウトソーシングすることで、さらなる効率化や人手不足解消が期待できるでしょう。
また、採用支援オプションでは、「応募者が集まらない」・「人材の定着率が低い」・「コストと結果が見合わない」といったお悩み・課題の解消を、周辺事務作業の負担軽減も含めてご支援します。
※採用代行オプションのご利用には、「スタンダードプラン」および「プロプラン」のご契約を条件に、月額+6万円がかかります。
サービス名 | カチアルサポート 採用支援オプション |
対応業務 | 求人媒体リサーチやスカウトメールの送信代行、面談調整などに対応。人事/採用の他にも、経理や営業事務など、あらゆるバックオフィス業務に対応可能。 |
費用 | 初回限定エントリープラン 43,000円(税抜)/月(税込47,300円) 月内利用時間 12時間、契約月数3か月 スタンダードプラン 118,000円(税抜)/月(税込129,800円) 月内利用時間 30時間、契約月数12か月 ※採用支援オプション 60,000円(税抜)/月(税込66,000円) |
特徴 | ・複数の業務を組み合わせての依頼が可能 ・厳しい採用過程を通過した正社員のアシスタントがサポート |
公式サイト |
本記事では、スカウト代行サービスに依頼できる業務やサービス選定のポイント、おすすめのサービスなどについて解説しました。記事のまとめは以下のとおりです。
<記事まとめ>
スカウト代行サービスに依頼できる業務は、サービスによって違いはあるが、媒体の選定やスカウトメールの文面作成、送信などがメイン
スカウト代行サービスを活用することで、業務効率化や採用の質向上などのメリットが得られる
スカウト代行サービスを選ぶ際は、業務の対応範囲や料金体系など、あらゆる角度から自社のニーズにマッチしているかを確認することがポイント
スカウト型採用が「攻め」の採用手法として注目される一方、自社のリソースでスカウト業務を進めるためには一定のノウハウやリソースが必要です。採用担当者の業務負荷を軽減し、ノウハウの不足を補うためには、スカウト代行サービスの活用も有効でしょう。
この記事を参考に、スカウト代行サービス各社の特徴や強みを把握し、自社に合ったサービス選定につなげてみてください。