「リサーチの必要性に迫られているが、自社内のリソースやノウハウが不足している」
「リサーチ代行に興味があるが、業者選びに失敗したくない」
このような悩みをお持ちの企業担当者は多いのではないでしょうか。
本記事では、リサーチ代行のメリット・デメリットやサービスを選ぶポイントなどについて解説しています。
リサーチ業務代行を提供している9社(サービス)をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
リサーチ代行とは、さまざまな分野におけるリサーチを自社に代わって代行業者が請け負うサービスのことです。
環境が日々変化するビジネスの中では、市場のトレンドや消費者の行動、競合他社の動向など、さまざまな情報が必要とされます。各企業にとってリサーチは重要な業務であるものの、自社でリサーチ業務を行う場合、多くの稼働コストがかかります。そのため、リサーチ代行を利用する企業も少なくありません。
リサーチ代行サービスでは、以下のような依頼をすることが可能です。
アンケート調査
市場調査
CS調査(顧客満足度調査)
ES調査(従業員満足度調査)
トレンド分析
Web文献調査
それぞれどのようなものか、詳しく解説します。
アンケート調査は、インターネットやオフラインを通じて、あらかじめ用意した質問を対象者に回答してもらう調査です。アンケート結果をもとに、顧客の意見や行動傾向を分析します。アンケート調査は、商品開発やサービスの改善など、マーケティング戦略を立てる上で有効な調査です。
リサーチ代行には、調査の設計から実施、データの集計と解析まで一貫して依頼することができます。
市場調査とは、特定の製品やサービス、あるいは業界全体に関する情報を収集・分析することを指します。市場調査の目的は、製品やサービスが実際の市場でどのように受け入れられるかを調べることです。
調査で得た結果は、ターゲット顧客の選定や価格設定、製品やサービスを市場に出すタイミングなどの戦略策定に繋がります。
CS調査(顧客満足度調査)は、自社の製品やサービスについて顧客がどの程度満足しているか、どの要素に満足または不満を感じているかを明らかにする調査です。顧客満足度は、企業の収益性や市場での競争力に直接的な影響を与えるため、多くの企業にとって重要な指標とされています。
また、CS調査を定期的に実施することで、顧客のニーズの変化や市場の動向を捉えることができ、変化に応じて迅速な対応ができるようになります。
ES調査(従業員満足度調査)では、仕事内容や待遇における従業員の満足度を調べます。ES調査で得た情報をもとに、企業は従業員のモチベーションを高めるための施策に繋げることが可能です。
従業員の満足度が高い職場は、生産性が向上し離職率が低下するため、組織全体のパフォーマンスの向上に繋がります。
トレンド分析とは、ソーシャルメディアやニュースメディアのトレンドを分析する手法です。トレンド分析を通じて業界のトレンドや消費者の関心を把握することで、新しいビジネスチャンスを見つけ出し、競争において有利な位置を確保することができます。トレンド分析は、特に迅速な意思決定が求められるファッション業界やテクノロジー業界などで広く利用されます。
市場の早い変化に対応するためには、継続的なトレンドの監視・分析が必要です。
Web文献調査は、インターネット上に公開されているさまざまな情報源からデータや情報を収集・分析する調査手法です。インターネット上には、学術論文やニュース記事、ブログ、企業の発表資料、政府の統計データなど、幅広い情報が存在しており、これらを収集・分析することで、必要な知見を得ることができます。
Web文献調査では最新の情報をリアルタイムで取得できるため、特に変化が激しい業界や研究分野で有効です。しかし、情報の質や信頼性を見極めるためには、情報源の評価やデータの検証が重要となります。
リサーチ代行を活用するメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
高度な専門知識を活用できる
コア業務に集中できる
コストを削減できる
リサーチ代行業者は、市場調査やデータ分析、情報収集などに関する専門的な知識とスキルを持っています。専門的なリサーチチームを自社内部で持つことはコストがかかりますが、リサーチ代行を利用することで、高額な投資をせずとも専門的なリサーチの実施が可能となります。これにより、ビジネスにおける意思決定の過程が強化され、競争優位性の確保につながるでしょう。
リサーチ業務は時間と労力を要するため、リサーチ代行を活用して外部に委託することで、自社内部のリソースをコア業務に集中させることが可能です。例えば、製品開発や販売戦略など、直接的な収益に貢献する活動に、より多くの時間とエネルギーを注げるようになります。企業の核となるコア業務に集中できることで、全体的な生産性の向上が期待できるでしょう。
リサーチ業務を自社内部で行う際、専任の人材を雇用すれば当然人件費や福利厚生費などがかかります。リサーチ代行を利用することでこれらの固定費を削減することができます。
また、リサーチ業務の効率と精度を向上させるためには、データ分析やアンケート調査などの専門的なツールが必要です。ツールの導入や維持にはコストがかかりますが、リサーチ代行であればこれらの設備投資が不要になります。
リサーチ代行にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
コストがかさむリスクがある
自社内にノウハウを蓄積できない
リサーチ代行を利用する際はこれらのデメリットを理解し、慎重に検討することが重要です。
リサーチ代行を利用する際のデメリットの1つは、コストがかさむ可能性があることです。特に専門的なリサーチが必要な場合、高度な技術や経験を持つ専門家に依頼する必要があり、高額な費用に繋がることがあります。また、プロジェクトの範囲が広がるにつれて、予想外の追加費用が発生することも少なくありません。
リサーチ代行を活用する際は予算計画をしっかりと立て、費用対効果を考慮することが重要です。特に中小企業やスタートアップにとっては、高額な投資が重荷となることもあるため、プロジェクトの規模や頻度を考慮した上で利用するかを検討しましょう。
自社内にリサーチのノウハウや専門知識が蓄積されないこともデメリットです。
外部に業務を委託することで、企業内部での経験やスキル習熟の機会が減少します。ノウハウが蓄積されないと、将来的にリサーチ業務を内製化したい場合に困難に直面するかもしれません。
リサーチ業務に関する知識やスキルを内部で育成することは、長期的な競争力の源泉となり得るため、外部サービスの利用と内部能力のバランスを考えることが重要です。
もし将来的に内製化する可能性があれば、全ての業務ではなく一部のみを委託するなど、自社の人材育成を妨げない工夫をしましょう。
リサーチ代行の費用は、リサーチの範囲や深さ、必要な専門性によって大きく異なりますが、一般的なアンケート調査の相場は以下の通りです。
郵送調査 | 20万円~50万円 |
Web調査 | 10万円~20万円 |
聞き取り調査 | 15万円~40万円 |
アンケート調査の場合、設問数や回収する回答数によっても費用は変動します。また、特定の専門知識が必要な場合や緊急のデータ収集が求められる場合は、高額な費用が発生することもあります。
費用とサービスの内容を詳細に検討し、自社の予算とニーズに合ったサービスを選ぶことが重要です。
リサーチ代行を選ぶ際は、自社のニーズに最も適した業者を見つけることが求められます。具体的な選定のポイントは以下の2つです。
リサーチの種類や対応範囲
費用対効果に見合った料金プラン
リサーチ代行の利用を検討する際は、これらのポイントに注意を払いながら業者選定を進めましょう。
リサーチは市場調査やCS調査、トレンド分析など多岐にわたります。リサーチ代行会社が提供するサービスの種類が自社のニーズに合っているかを検討しましょう。
また、リサーチの結果だけでは業務への活用は難しく、分析やレポートにまとめることで戦略立案に役立てることができます。リサーチ後の分析やレポート作成などにも対応しているかどうかも確認しておきましょう。
リサーチ代行を選ぶ際には、費用対効果も考慮する必要があります。サービス内容が自社の要望と合致しても、費用が予算に合っていなければ契約を避けるべきです。
料金プランは業者によって大きく異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取得し、それぞれのサービス内容とコストを比較検討することもおすすめです。
また、隠れたコストがないか、追加料金の発生条件は何かなどを確認し、透明性のある料金体系を持つ業者を選ぶことが望ましいでしょう。
予算に合わせて、最もコストパフォーマンスの高いプランを提供してくれる業者を選びましょう。
ここでは、リサーチ代行サービスを提供している8社をご紹介します。
株式会社マーケティング・リサーチ・サービス
株式会社日本リサーチセンター
GMOリサーチ&AI株式会社
株式会社マーケティング イノベーション
株式会社リサーチワークス
株式会社Labz.
株式会社マクロミル
株式会社クロス・マーケティング
それぞれの特徴や料金などを比較し、業者選びの参考にしてください。
株式会社マーケティング・リサーチ・サービスは、マーケティングリサーチという概念が日本に生まれた頃の「黎明期」である1959年に設立した企業です。
幅広い業界、分野のリサーチに対して経験とノウハウがあり、生活者インサイトや商品評価など、目的に応じてさまざまな施策を取り扱っています。
サービス名 | マーケティングリサーチ |
特徴 | ・リサーチの各段階にそれぞれのスペシャリストが関与 ・定性調査から定量調査まで幅広い手法 |
料金 | 要問い合わせ |
こんな人におすすめ | ・実績が豊富な業者に依頼したい ・リサーチの企画が得意とする業者に依頼したい |
参考:株式会社マーケティング・リサーチ・サービス サービス案内
株式会社日本リサーチセンターは、1960年設立の伝統ある総合調査会社です。市場調査や世論調査、海外調査などを行っており、オフライン調査からオンライン調査まで幅広い調査手法に対応しています。
サービス名 | 調査分析 |
特徴 | ・コンサルやデジタルツールなど、リサーチに付随した業務も対応 ・複数の調査手法を組み合わせる”ミックスモード”が可能 |
料金 | 要問い合わせ |
こんな人におすすめ | ・リサーチだけではなく、コンサルなどの付随業務も依頼したい ・色々な調査手法を組み合わせたリサーチを行いたい |
業界最大級のパネルネットワークを持つGMOリサーチ&AI株式会社。日本国内だけでなくアジアや北米など、6,593万人にネットリサーチを行えることが強みです。
また、アンケートを利用したプロモーション支援やブランディング支援なども提供しています。
サービス名 | GMOリサーチ&AI |
特徴 | ・業界最大級のアンケートモニターを保有し、大規模なものからニッチなターゲットに絞り込んだ調査まで対応可能 ・設計から集計まで自分で行えるアンケートシステムも提供 |
料金 | <ネットリサーチ料金例> 例1)アンケート作成〜集計までフルサービス:694,100円(税込) サンプル数2,000件、本調査設問数20問 例2)アンケート回答者のレンタル:303,600円(税込) サンプル数1,000件、本調査設問数30問 |
こんな人におすすめ | ・サンプルパネルの豊富な企業に依頼したい |
株式会社マーケティング イノベーションの鈴木代表は「女性視点マーケティング」を提唱しており、女性視点での市場調査やアンケート調査を行っています。
「美容室専用顧客満足度調査」「自社の強み弱み発見調査」など、ユニークな調査を扱っている点も特徴です。また、アンケートの雛形販売や、依頼企業に訪問してリサーチ業務のやり方を教えるサービスも実施しています。
サービス名 | 市場調査・マーケティング リサーチ各種 |
特徴 | ・女性視点での市場調査やアンケート調査 ・安価なお手軽サービスから本格的なコンサルティングまで幅広いプラン |
料金 | <アンケート調査料金例> 例1)質問数10問、100サンプルの場合 約100,000円 例2)質問数20問、100サンプルの場合 約150,000円 例3)質問数30問、100サンプルの場合 約200,000円 |
こんな人におすすめ | ・女性視点でのリサーチに興味がある ・リサーチ業務のやり方を教えてもらいたい |
出典:株式会社リサーチワークス
株式会社リサーチワークスは、アンケート調査の専門会社です。郵送調査や調査員による対面調査、インターネット調査、電子メール調査など多様な手法に対応しています。
また、アンケート調査の企画・設計から、入力・集計、報告書の作成までワンストップで対応しています。
サービス名 | リサーチワークス |
特徴 | ・アンケート調査の総合支援を得意としており、調査後の分析やレポート作成まで対応 ・予算やニーズに合わせて、アンケートの一部のみの委託も可能 |
料金 | 要問い合わせ |
こんな人におすすめ | ・アンケートを利用したリサーチを行いたい ・分析やレポート作成までまとめて依頼したい |
出典:株式会社Labz.
株式会社Labz.は、AIによるリサーチ代行を提供している会社です。特定のテーマについてインターネットで調べて情報を集める、デスクトップリサーチをメインとしたサービスを展開しています。無料トライアルもあるため、実際の使い心地を試して慎重な導入検討をすることができます。
サービス名 | Labz. |
特徴 | ・Web情報や論文情報の検索、要約、示唆出しをAIリサーチャーが代行 ・AIディレクターが品質を担保 |
料金 | リサーチ代行サービス(エクセル報告書) 5,000円〜/テーマ リサーチ代行サービス(パワポ報告書) 15,000円〜/テーマ |
こんな人におすすめ | ・インターネット上の情報をリサーチしたい ・コストを抑えて依頼したい |
参考:株式会社Labz.
出典:株式会社マクロミル
取引社数4,000社を超える豊富なリサーチ実績とノウハウを持つ株式会社マクロミル。業界最高水準の品質管理ポリシーを設定し、提携パネルの重複登録や二重回答を防止するなど、アンケート回答の品質管理を徹底しています。
また、デジタルマーケティングや広告配信、コンサルティングまで、リサーチで得たデータを活用するためのトータルサポートを行っています。
サービス名 | マクロミル |
特徴 | ・国内3,600万人の高品質なリサーチパネル ・あらゆる属性に対応するパネルを独自にグルーピングし、効率的に調査対象者を抽出 |
料金目安 | <インターネットリサーチ料金例> 例1)認知度調査 360,000円〜 サンプル数600件、本調査設問数15問 例2)価格調査 1,360,000円〜 サンプル数1,000件、本調査設問数20問 |
こんな人におすすめ | ・質の高いアンケート回答を得たい ・リサーチ結果を次に活かすためのサポートをしてもらいたい |
参考:株式会社マクロミル
株式会社クロス・マーケティングでは、インターネットリサーチをはじめとして、課題や目的に応じた幅広い市場調査メニューを提供しています。
Webアンケート上の画像や文字などを見た時の直感的な脳の反応速度を測定する潜在意識調査や、Web調査で気になる回答をした人に直接インタビューできるオプションサービスも特徴です。
また、在日外国人調査や訪日外国人調査もあり、本格的な海外調査よりもコストを抑えつつ外国人の声を聴くことができます。
サービス名 | クロス・マーケティング |
特徴 | ・専属のリサーチャーが企画、設計から報告まで対応 ・セルフ型アンケートツールや無料集計ツールも提供 |
料金 | <ネットリサーチ料金例> 例1)サンプル数100、設問数10問まで 90,000円 例2)サンプル数100、設問数20問まで 174,000円 例3)サンプル数100、設問数30問まで 268,000円 |
こんな人におすすめ | ・幅広い調査方法から自社に合ったものを選びたい ・本格的な海外調査の前に外国人の声を聴きたい |
引用:カチアルサポート
ここまで、アンケート調査や専門的なコンサルティングを含むリサーチ代行サービスをご紹介してきました。
一方で、本格的なリサーチではなく、以下のような簡易なリサーチを行いたいが、業務に追われて取り組めていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
競合製品・サービスのホームページの情報を整理したい
SNS上での自社製品・サービスに関する口コミを収集したい
業界関連のニュースやレポートの内容を定期的にまとめたい
そのような簡易的なリサーチ、調べ物であれば、NTT印刷が運営する「カチアルサポート」に依頼することも方法の一つです。
カチアルサポートは、手間のかかるバックオフィス業務作業をまとめてサポートする代行サービスで、上記で挙げたような簡易的なリサーチ業務に対応しています。
リサーチ業務の他にも、経理や秘書業務などの複数業務を自由に組み合わせて依頼できるため、 必要な時に必要な分だけ、柔軟かつリーズナブルに利用することが可能です。
サービス名 | カチアルサポート |
特徴 | ・稼働時期、業務内容の自由な組み合わせ ・厳しい採用過程を通過した正社員のアシスタント |
料金 | 初回限定エントリープラン 43,000円(税抜)/月(税込47,300円) 月12時間、3ヵ月契約
月12時間、3ヵ月契約
月30時間、6ヵ月契約
月30時間、12ヵ月契約 |
こんな人におすすめ | ・リサーチの他にもバックオフィス業務を幅広く依頼したい ・できるだけコストを抑えたい |
市場の動向や顧客のニーズ、競合状況などを理解するために、リサーチ業務は企業にとって必要不可欠です。しかし、企画からデータ収集、分析などの一連したリサーチ業務には膨大な手間と時間がかかるため、自社内で行うには効率が悪い場合もあります。
今回紹介したリサーチ代行を活用し、外部に委託することで、欠員などの懸念なくリサーチ業務を進めることができます。
外部に依頼する程ではないが人手が足りていない、簡易的なリサーチの場合は「カチアルサポート」にぜひご相談ください。
エントリープランであれば、月額43,000円(税抜)/(税込47,300円)~始められるのでリサーチ業務の外部依頼を試してみたいという企業にもおすすめです。ぜひ一度お問い合わせください。