「エクセルでマニュアルを作成したいけれど、どのように進めれば良いかわからない」そんな悩みを抱えていませんか。
本記事では、エクセルを使って業務マニュアルを作成したいと考えている方に向けて、具体的な手順やメリット・デメリットを詳しく解説します。
わかりやすいマニュアルを効率的に作成するためにお役立てください。
エクセルでマニュアルを作成する主なメリットは、以下の通りです。
使い慣れたツールで手軽に作成できる
視覚的に情報を伝えることができる
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
エクセルは、業務用のパソコンに標準的に搭載されているソフトウェアであるため、新たにソフトウェアを購入する必要がありません。また、基本的な操作は多くの人がすでに習得しているため、特別なトレーニングを受けることなく、速やかにマニュアル作成に着手できます。
エクセルでは、定量データを視覚的に表現するために、グラフを挿入することができます。
マニュアルの手順において参照すべき複雑な数値類を、適切なグラフを用いて可視化することで、第三者にも理解しやすく整えることができます。また、グラフ以外にも図形の挿入機能を活用し、参照写真や図などを挿し込むことで、より分かりやすい資料にすることができます。文章だけでは伝えにくい情報を視覚的に表現することで、読み手が理解しやすい内容にし、マニュアルとしての質を高めることができるでしょう。
エクセルは便利なツールですが、マニュアル作成においては注意が必要です。具体的なデメリットは以下の通りです。
デザイン性が比較的低い
スマートフォンからの閲覧・編集が難しい
これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、エクセルをより効果的に活用することができます。
エクセルでマニュアルを作成する際のデメリットの一つに、デザイン機能が少ないことがあります。
エクセルは本来、表計算や数値分析のためのソフトウェアであるため、文書作成に特化したワードや、デザイン機能に優れたパワーポイントなどと比べると、レイアウトやデザインの自由度が低くなります。
例えば、セルの枠線や背景色を使って見やすさを工夫することはできますが、複雑なレイアウトや装飾的なデザインを施すことは困難です。
また、印刷出力の際には、セル内の文字が折り返し表示設定になっていないと文字が印刷範囲からはみ出してしまうケースがあるなど、パソコン画面上の見栄えと印刷後の見栄えが異なってしまうケースもあります。
こうした事態を防ぐには、印刷前にプレビューで全体を確認し、必要に応じて各設定を調整するなど、エクセルの印刷出力時の特性にも留意しておく必要があります。
エクセルでマニュアルを作成する際の大きなデメリットの一つに、スマートフォンからの閲覧・編集の難しさがあります。
スマートフォンの画面サイズは一般的にパソコンより小さいため、エクセルシートの全体を見渡すことが困難です。そのため、必要な情報を素早く見つけることが難しくなります。
また、スマートフォン向けのエクセルアプリは、パソコン版に比べて機能が制限されていることが多く、マクロや特定の関数が反映されない場合があります。
エクセルを使ってマニュアルを作成する際は、一定の手順に沿って進めることで、効率的に質の高いマニュアルを完成させることができます。
ここでは、エクセルでマニュアルを作成する際の基本的な手順を以下の5つのステップに分けて解説します。
目次の作成
見出しと内容の入力
画像と図の挿入
フォーマットの統一
作成したマニュアルの共有
それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
エクセルでマニュアルを作成する際の最初のステップは、目次の作成です。目次は、マニュアルの全体構造を示し、読者が必要な情報にすぐにアクセスできるようにする役割があります。
まず、マニュアルの主要セクションを特定し、それらをエクセルのシート名として設定しましょう。
次に、各シート内で詳細な見出しを作成し、これらを各シートの見出しを説明している箇所とハイパーリンクで連携させます。例えば、「1. 概要」「2. 手順」「3. トラブルシューティング」といった大項目を設定し、その下に小項目を配置すると良いでしょう。
また、ハイパーリンクを活用することで、読者は目次から直接必要なセクション(項目・箇所)にジャンプできるため、情報量が多いマニュアルでも効率的に閲覧することができます。
目次の作成により、より体系的で使いやすいマニュアルを作成することが可能になります。
目次の作成後は各シートに見出しと内容を入力していきます。
見出しは、業務の流れや内容をわかりやすく表現するようにし、規則的に番号や記号を付けて階層構造を明確にしましょう。
内容の入力では、作業手順を過不足なく記載することが重要です。5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識しながら、誰が見ても同じ作業ができるよう具体的に記述します。現場で用いている専門用語や略語での記載は避け、第三者が理解できるわかりやすい表現を心がけましょう。
また、複数の担当者でチェックすることで、個人の主観や思い込みを排除し、より正確で汎用性の高いマニュアルを作成することができます。
これらの点に注意しながら見出しと内容を入力し、効果的なマニュアルを作成しましょう。
画像や図の挿入は、視覚的な理解を促進する役割があります。
まず、「挿入」タブから「画像」や「図形」を選択し、適切な場所に配置しましょう。
マニュアルの工程において判断に必要な画像や写真などを効果的に活用することで、文字だけでは伝わりにくい情報も直感的に理解できるようになります。
ただし、画像の過度な使用は、逆に読みづらさを招く可能性があるため、ポイントとなる場面に的確に挿入することが大切です。また、画像のサイズや解像度にも気を配り、印刷時にも鮮明に見えるよう調整しましょう。
そして、図形ツールを使用して簡単な図や矢印を用いることも効果的です。例えば、業務の流れや前後の関係性を示す際、図や矢印を挿し込むことで、工程や情報の流れをわかりやすく表現することができます。
これらの視覚的要素を適切に配置することで、マニュアルの可読性と理解度が大幅に向上します。
フォントの種類や色やサイズを用いる際のルールを統一しておくことで、読みやすさが向上し、資料としての一貫性が保たれます。
例えば、見出しには太字で大きめのフォントを使用し、本文は読みやすい標準的なサイズにすると良いでしょう。また、見出しや本文、図表などの配置についても、ある程度の規則性を定めてテンプレートを作成しておくと効率的です。
さらに、セルの幅や高さを調整し、文字の折り返しを適切に設定しましょう。背景色や罫線を効果的に使用することで、情報が見やすく整理・区分けされ、視覚的にわかりやすく明確にすることができます。
フォーマットを統一することは、マニュアルの品質を高め、読者の理解を促進するために欠かせません。
最後のステップは、作成したマニュアルの共有です。エクセルで作成したマニュアルは、関係者と共有することで、業務の効率化と標準化を実現することができます。
共有方法は、クラウドストレージサービスを活用することが効果的です。
Google DriveやOneDrive、Dropboxなどを利用して、最新版のマニュアルをアップロードし、関係者に共有リンクを送信しましょう。これにより、誰もがいつでも最新のマニュアルにアクセスできるようになります。
ファイル自体をそのまま共有してしまうと、共有先で微修正が施されたり、マニュアルの内容管理が煩雑化する恐れがあります。常に最新版が明確に提示できている状況をつくることを意識しましょう。
また、ナレッジ共有システムや文書管理システムなどの専用ツールを使えば、高度な検索機能により必要な情報をすばやく見つけることができるため、さらなる業務効率化が期待できるでしょう。
エクセルを使った効果的なマニュアルを作成するためには、いくつかのコツがあります。これらのコツを押さえることで、より使いやすく、わかりやすいマニュアルを作成することができます。
主なエクセルでのマニュアル作成のコツは、次の通りです。
マニュアルの目的を明確にし、必要な情報を的確に絞り込む
第三者が参照する資料であることを前提とした内容と表現を心がける
テンプレートを利用して作成時間を短縮し、統一感を持たせる
5W1Hを意識する
エクセルでマニュアルを作成する際は、これらのコツを参考にしてください。
エクセルでマニュアルを作成する際は、まずマニュアルの目的を明確にし、必要な情報を的確に絞り込むことが重要です。
マニュアルの目的が業務の効率化なのか、品質の向上なのか、新人教育なのかによって、盛り込むべき内容が変わってきます。
目的を明確にすることで、不要な情報を省き、読者にとって本当に必要な情報だけを厳選することができるのです。
また、情報を絞り込む際は、読者の業務フローに沿って、手順や注意点を論理的に整理することが大切です。
これにより、読者は必要な情報にすばやくアクセスでき、業務の効率化につなげることができます。
マニュアルに書かれる業務に精通していない第三者が理解するための資料でもあること、読者が必要な情報を迅速に理解するための資料であることを意識しましょう。
以下の点に注意して読者の知識レベルに合わせた内容と表現に気を付けましょう。
第三者が読むことを理解し、分かりやすい適切な内容で記載をする
抽象的な説明を避け、判断基準を明確にし、参照例なども含め説明する
複雑な説明を避け、簡潔でわかりやすい表現を使用する
マニュアル全体で一貫した表現を使用し、読者が情報を理解しやすくする
これらのポイントを踏まえることで、読者が必要な情報を収集しやすいマニュアルを作成することができます。
テンプレートを活用することで作成時間を大幅に短縮し、統一感のあるドキュメントを作ることができます。
テンプレートを使用すると、すでに設定されているフォーマットに必要な情報を入力するだけで、見やすいマニュアルが完成するためおすすめです。
以降で紹介するMicrosoft Officeが提供する「Office テンプレート」やビジネス書式サイト「bizocean」などで、目的に合ったテンプレートを見つけることができます。
これらのテンプレートは、見出しやセルの書式、色使いなどがあらかじめ設定されているので、レイアウトやデザインを一から考える労力を省くことができます。
また、社内で独自のテンプレートを作成し、共有することで、部署や担当者が変わってもマニュアルの一貫性を維持することができます。
テンプレートを効果的に活用し、作成時間を短縮しながら統一感のあるマニュアルを作成しましょう。
エクセルでマニュアルを作成する際、5W1Hを意識することで、より明確で実用的な内容にすることができます。
5W1Hとは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の6つの要素のことです。
これらの要素を各作業手順に盛り込むことで、読み手は必要な情報を漏れなく把握することができます。
例えば、「毎月末日(When)に経理部の(Where)担当者が(Who)売上データを(What)翌月の予算策定のために(Why)集計し報告する」と記載してみましょう。
また、エクセルのセル機能を活用し、各要素を列に分けて整理すると、情報が一目瞭然になります。また、フィルター機能を使用することで、特定の条件に合致する作業だけを抽出することも可能です。
このように5W1Hを意識してマニュアルを作成することで、新人でも迷わず作業を進められる、わかりやすく実用的なマニュアルを作成することができます。
エクセルは、その多機能性と柔軟性から、さまざまな種類のマニュアル作成に適していることが特徴です。特に、データの整理や計算が関わってくる業務工程のマニュアル作成に強みを発揮します。
エクセルでの作成に向いているマニュアルの例としては、以下のようなものがあります。
業務手順マニュアル:特定の業務手順を詳細に説明するマニュアル。例えば、受注から納品までの流れや、会計処理の手順など
データ集計マニュアル:データの集計や分析方法を説明するマニュアル。例えば、売上データの集計や、顧客情報の分析など
教育用マニュアル:新入社員や部門異動者向けの教育用マニュアル。例えば、会社の規則や、業務手順の説明など
報告書マニュアル:定期的な報告書を作成するためのマニュアル。例えば、月次報告書や、年次報告書など
ガイドラインマニュアル:特定の業務やプロジェクトに関するガイドラインを説明するマニュアル。例えば、プロジェクト管理の手順や、品質管理の基準など
これらのマニュアルは、数値データの処理や集計、グラフ化が必要な場合が多く、エクセルの機能が役立ちます。
エクセルを使ってマニュアルを作成する際、テンプレートを活用することで効率的に質の高いマニュアルを完成させることができます。
ここでは、無料で利用できるエクセルでのマニュアル作成におすすめのテンプレートを2つ紹介します。
Office テンプレート
bizocean
それぞれのテンプレートの特徴や利用方法について、詳しく見ていきましょう。
Microsoft Officeが提供する「Office テンプレート」は、ワード、エクセル、パワーポイントなど、Office アプリケーションで利用可能な無料のテンプレート集です。
これらのテンプレートは、ビジネス文書やプレゼンテーション資料など、さまざまな用途に応じてあらかじめデザインやレイアウトが整えられているため、ユーザーは必要な内容を入力するだけで、簡単に専門的な書類を作成することができます。
特にエクセルでのマニュアル作成においては、既存のテンプレートを活用することで、手順書や作業フローなどを効率的に作成でき、時間と手間を大幅に節約できるためおすすめです。
「bizocean(ビズオーシャン)」は、中小企業や個人事業主向けに、ビジネスに役立つ書式やテンプレートを無料で提供しているサイトです。
在庫管理や予算管理、プロジェクト進捗管理など、データの整理や分析が必要なマニュアル作成に適したエクセルテンプレートが豊富に用意されています。
bizoceanの利点は、2.9万点以上のテンプレートが無料でダウンロードでき、エクセル形式で提供されていることです。そのため、ユーザーは必要なテンプレートを選び、すぐにマニュアル作成に取り掛かることができます。
また、bizoceanのテンプレートは、エクセルだけでなくワードやパワーポイントなど、さまざまなファイル形式で提供されているため、用途に応じて使い分けることができるのも大きな利点です。
エクセルで作成したマニュアルの共有方法はさまざまですが、適切な方法を選択することで、チーム全体の業務効率を向上させることができます。
エクセルで作成したマニュアルの共有連携に推奨される方法は次の通りです。
クラウドストレージを活用して、最新のマニュアルを共有
高精度の検索機能を備えたツールを使用し、必要な情報を迅速に検索
エクセルで作成したマニュアルの共有を検討している方は、これらの方法を参考にしてください。
エクセルで作成したマニュアルを効果的に共有するには、Google DriveやOneDrive、Dropboxなどのクラウドストレージサービスを活用することが便利です。
最新版のマニュアルをクラウドストレージにアップロードし、関係者に共有リンクを送信することで、誰もがいつでも最新版のマニュアルにアクセスできるようになります。
また、クラウドストレージの利点は、リアルタイムでの更新と同期です。
例えば、マニュアルの内容を変更した場合、その変更が即座に反映され、全員が常に最新版を見ることができます。
そして、変更履歴機能を活用することで、誰がいつどのような修正を行ったかを追跡することも可能です。
クラウドストレージを活用することで、効率的なマニュアルの共有と管理の実現につながります。
エクセルで作成したマニュアルを効率的に共有・活用するには、高精度の検索機能を備えたツールを使用することもおすすめです。
ナレッジ共有システムやワークフロー機能付き文書管理システムなどを導入することで、必要な情報を迅速に検索し、業務の効率化を図ることができます。
また、これらのツールは、キーワードや条件を指定することで、目的の情報に素早くたどり着くことが可能です。
さらに、検索結果のランキング機能により、関連性の高い情報から優先的に表示されるため、従業員は業務に必要なマニュアルを見つけやすくなります。
高精度の検索機能を活用し、マニュアルの活用度を向上させ業務の生産性アップにつなげましょう。
マニュアルの作成にはさまざまなメリットがありますが、作成や更新に手間がかかるといったデメリットもあります。
その他にも「業務のノウハウを言語化してマニュアルに落とし込むのは大変...」「Excelでわかりやすいマニュアルを作るのは難しい...」といった課題もあるのではないでしょうか。そのような場合におすすめなのが、カチアルサポートです。
カチアルサポートでは、バックオフィス業務の代行サービスを提供しています。
依頼できる業務の1つとして、マニュアルの作成代行に対応しており、その他にも経理・営業事務・人事/採用・秘書・クリエイティブなど、さまざまな事務作業の依頼が可能です。
業務マニュアルの作成だけを外部に依頼するのはちょっとハードルが高いという企業でも、その他の事務作業と一緒にアウトソーシングしてしまうことで、さらなる効率化・人手不足解消が図れます。
また、継続してカチアルサポートをご利用いただくことで、滞りやすいマニュアルの更新も依頼が可能です。
エクセルを使用したマニュアル作成には、多くのメリットがあります。
例えば、業務用パソコンであれば多くの場合は標準搭載されているため新たなソフトウェアを導入する必要がなく、関数やマクロを活用して自動計算やデータ集計が可能なことです。また、グラフや図の挿入が容易で、視覚的に情報を伝えやすいという利点もあります。
一方で、デザイン性が限られ印刷時の調整が必要であることやスマートフォンからの閲覧・編集が難しいといったデメリットもあります。
これらを踏まえ、マニュアルの目的や対象読者を明確にし、5W1Hを意識しながら作成することが重要です。
エクセルでのマニュアル作成をより効率的に進めたい場合は、カチアルサポートのサービスの活用がおすすめです。
カチアルサポートは、企業の人手不足やスキル不足を補い、業務効率を向上させるためのサポートを提供しています。
エクセルによるマニュアル作成でお悩みの際には、ぜひ「カチアルサポート」の活用を検討してみてださい。