リスト作成は時間と手間がかかるため、外部に依頼し、業務負荷を減らしたいと考えている企業は多いでしょう。より効率的に業務を進めるため、自社内でのリスト作成が難しい場合、リスト作成代行サービスの利用を検討してみましょう。
本記事では、リスト作成代行サービスで依頼できる内容や種類、料金相場などについて解説します。おすすめのサービスも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
リスト作成代行サービスとは、さまざまなリストの作成を代行するサービスのことです。リスト作成代行を依頼された事業者は、必要に応じて情報を収集し、営業リストや顧客リストなどのリストを指定の項目で作成します。
リスト作成代行サービスに依頼できる内容は非常に幅広く、社内事務に利用するリストの作成も依頼することができるケースもあります。これにより、顧客はリスト作成に費やしていた時間と労力を削減し、コア業務に集中することが可能になります。
リスト作成代行サービスに依頼することが多い、リストの種類について詳しく解説します。
企業リスト
営業リスト
顧客リスト
企業リストとは、企業に関する情報をまとめたリストのことです。一般的に、企業名、住所、電話番号、メールアドレス、問い合わせフォーム、担当者名、経営状態などの情報が含まれます。このリストは、営業活動で潜在顧客を特定し、アプローチするために活用される場合、営業リストと同義で用いられることも多いです。
営業リストとは、営業活動の効率化を目的として、見込み顧客となる企業や個人の情報をまとめたリストです。一般的に、企業名、住所、電話番号、担当者名、メールアドレスなどの基本情報に加え、業種、従業員数、売上高といった、顧客の属性を示す情報も含まれます。
自社の商品やサービスに最も関心を持ってくれそうな顧客を絞り込むため、ターゲット層に合わせた属性情報をより詳細に記載したリストを「営業ターゲットリスト」と呼ぶこともあります。
また、この営業リストには、顧客との接触履歴や商談内容、次のアクションなど、営業活動の進捗状況を記録する欄を設けることで、営業活動の管理を効率化することができます。
顧客リストとは、自社製品やサービスに関心を示し、実際に問い合わせや購入など、何らかの形で接触があった顧客の情報をまとめたリストです。企業リストや営業リストと異なり、顧客リストには、すでに自社との取引実績がある既存顧客や、問い合わせなどを通じて一定の関心を示している見込み客の情報が記録されています。
展示会での来場者や、Webサイトからの問い合わせなど、さまざまな経路で獲得した顧客情報から顧客リストは作成されます。これらの顧客は、すでに自社製品やサービスに関心を示しているため、営業リストの顧客と比較して、成約率やリピート率が高い傾向にあります。
そのため、顧客リストは企業にとって非常に貴重な資産であり、「企業の宝」とも呼ばれています。
リスト作成代行と関連サービスにおいて依頼することができる業務内容は、リスト作成代行サービスによって異なります。ここでは主な業務の例として、以下の6つを詳しく解説します。
データ収集・抽出
データ作成
データ整理
ツールの提供
コンサルティング
その他追加サービス
データ収集・抽出は、目的に合ったデータを収集する業務です。リスト作成においては特に時間がかかる部分であり、専門知識も必要となることから外注すると大幅に業務の手間を削減することができます。
必要な情報をデータベース化し、検索ツールを提供しているツール提供型の業者であれば、データを受け取ったあと自社で情報抽出、リスト作成をおこないます。
データ作成は、収集・抽出したデータを元に規定の項目に沿ってリスト化する業務です。事前に項目や形式を指定しておくことで、社内システムにすぐ反映できます。
リスト作成代行サービスによっては、自社で作成したデータの整理も依頼できるケースがあります。具体的には重複しているデータの削除、データの抜け・漏れ修正などの依頼が可能です。
また、既存のリストに特定の項目を追加することもできます。自社でリストを作成したものの不十分だと感じる場合には、データ整理を依頼してみると良いでしょう。
社内でのリスト化を簡単にするため、データベースや収集ツールの提供を行うサービスもあります。直接リストを作成してもらえるわけではありませんが、必要なデータや専用の高機能収集ツールがあれば社内でのリスト作成を大幅に効率化できるでしょう。
収集・作成したデータに基づき、目的に応じたコンサルティングを行うリスト作成代行サービスもあります。特に営業リスト作成では、営業活動や戦略のコンサルティングサービスがセットになっているサービスが数多くあります。
コンサルティングが付帯しているサービスであれば、データをプロが分析し、アドバイスを行うため精度の高いアプローチが可能となります。作成したリストを最大限活かしたい場合や営業活動に課題を感じている場合は、コンサルティングの依頼も検討しましょう。
リスト作成に関連したアポイントメント獲得、業務改善のアドバイス、市場リサーチなどを依頼できることもあります。その他の追加サービスについては事業者ごとに異なるため、それぞれのリスト作成代行サービスの公式サイトなどで詳しく確認してみてください。
ここからは、リスト作成を外部に依頼するメリットを解説します。
業務の負荷を減らせる
コア業務に集中できる
より正確なリストが作れる
リスト作成代行サービスに依頼すれば、業務の負荷を大幅に削減できます。リスト作成には、データ収集、抽出、整理など、多岐にわたる作業と工数が必要となります。
そのため、担当者の業務負担は非常に大きく、時には残業を強いられることもあるでしょう。
しかし、リスト作成代行サービスを利用すれば、これらの作業を専門の事業者に委託できるため、担当者はその他のコア業務に集中でき、残業時間の削減や業務効率の向上につながります。
リスト作成業務を外部に依頼することで、リストを活用したコア業務に注力できるようになります。たとえば、営業リストをもとに営業戦略を検討したり、顧客の購買行動を分析し、より効果的なマーケティング戦略を立案したりすることが可能となります。
経験の少ない担当者がリストを作成すると、項目に抜け漏れができたり、誤って二重に情報を登録してしまうことも少なくありません。十分な経験や知識を持つ従業員であっても、他の業務もある中で、急いでリスト作成を行うとミスが発生しやすくなります。
しかし、リスト作成に慣れたリスト作成代行サービスのスタッフが行うことで、自社で作るよりもさらに精度の高いリストをより短時間で作成可能です。忙しい時期でも安定したクオリティのリストが作成できるため、業務がよりスムーズに進みます。
ここでは、リスト作成代行を依頼するデメリットについて解説します。
依頼には費用がかかる
自社にノウハウが蓄積されない
情報漏えいのリスクがある
精度の低いリストができあがる恐れがある
依頼しないほうが良いケースについても併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
リスト作成代行サービスの利用には、当然ながら初期費用やランニングコストが発生します。リストの作成件数や、追加オプションによって費用は変動しますが、一般的に数万円から数十万円程度が相場です。継続してサービスを利用する場合、年間でかかる費用は決して少なくないため、費用対効果をしっかりと見極めることが重要です。
リスト作成業務を外部に委託し続けると、自社内にノウハウが蓄積されず、いざという時に対応できなくなるリスクがあります。リスト作成代行サービスに完全に依存してしまうと、サービスの利用が困難になった場合、業務が滞り、大きな損失に繋がる可能性も否定できません。
そのため、リスト作成を完全に外部に委託するのではなく、一部は社内で行うことをおすすめします。たとえば、簡単なリスト作成は社内で行うようにすることで、緊急時の対応力向上につながります。
リスト作成業務を外部に委託する場合、情報漏えいのリスクは常に存在します。顧客情報や企業秘密などの機密情報を取り扱う業務であるため、万が一情報が漏えいした場合、企業に与えるダメージは甚大です。
情報漏えいのリスクを最小限に抑えるためには、委託先との間で厳格な契約を締結し、セキュリティ対策を徹底する必要があります。また、情報漏えいが発生した場合の対応計画を事前に策定しておくことも重要です。
リスト作成代行サービスによっては、
データの質が低く、ニーズに合致しないリストが作成されるリスクがあります。また、コミュニケーション不足により、修正に時間がかかったり、トラブル発生時の対応が遅れたりする可能性も考えられます。
そのため、契約を結ぶ前に、委託先の過去の実績や、提供されるリストの品質、納期、支払い条件などをしっかりと確認しておくことが重要です。
リスト作成代行の依頼で後悔しないためには、リスト作成代行サービスの選び方が重要です。選定の際は、次のポイントを意識してください。
業務対応範囲は適切か
豊富な実績があるか
セキュリティ対策は万全か
自社の状況にあったリスト作成代行サービスを選び、業務の効率化を実現しましょう。
リスト作成代行の業務範囲は、リスト作成代行サービスごとに異なります。必要以上のサービスを依頼すると費用もかかるため、料金をチェックしながら必要十分なサービスを依頼できるかどうか確認しましょう。
必要以上のサービスを依頼してしまうと、大幅な業務内容の変更で現場が混乱することもあります。どの業務に代行依頼が必要なのか、しっかりと把握したうえで依頼内容を検討してください。
リスト作成代行に対応している業者は数多くあるため、実績を確認することも重要です。依頼する事業者によっては、
リストの完成までに時間がかかったり、十分な精度のリストができあがらなかったりする恐れがあります。
依頼の際は、実際に代行を行なった企業の実績、対応数を確認して選びましょう。具体的にどのようなリストを作成できるのか、サンプルを見せてもらうこともおすすめです。
リスト作成では個人情報を扱うこともあるため、業者がどのようなセキュリティ対策を実施しているかは非常に重要です。まずは、プライバシーマークがあるかどうか確認しましょう。
また、下請けに業務を回さず依頼した業者内で完結するサービスのほうが、セキュリティ面では安心です。実際に作業をするのはどういったスタッフなのか、チェックしてみましょう。
ここからは、作成代行に対応しているおすすめの業者を紹介します。
それぞれタイプ別に解説するので、必要としているサービスに応じてチェックしてみてください。
引用：リスト王国
リスト王国は、営業リスト取り扱い実績No. 1を謳うサービスです。多様なリストから必要なもののみを選べるため、すぐにリストが必要な場合に向いています。リスト王国では毎週リストを更新しており、常に最新の情報をチェックできる点も魅力です。
リストの価格は1件0.09円〜とリーズナブルで、業界内でも低水準です。登録・ダウンロードなしで購入できるため、気になるリストがないか定期的にチェックしてみると良いでしょう。
サービス名 | リスト王国 |
費用 | 1件0.09円〜 |
業務範囲 | リスト販売 |
特徴など | ・リスト販売のみのシンプルなサービス ・毎週リストを更新しており最新の情報を収集可能 ・多様なリストがあり、必要なものだけを購入できる |
引用：営業リスト作成.com
営業リスト作成.comでは、ニーズに合わせたリストを1から作成するサービスを提供しています。常に最新の情報を元にリストを作成するため、精度の高いリストを入手することが可能です。
料金はリストの項目ごとに異なりますが、ホームページURL、郵便番号などであれば1項目3円〜で依頼しやすい点もメリットです。大量依頼では値引きもあるため、リスト作成をまとめて依頼したい方は検討してください。
サービス名 | 営業リスト作成.com |
費用 | 1項目3円〜 |
業務範囲 | リスト作成 |
特徴など | ・手作業で収集をしており細やかな対応が可能 ・すべて国内で日本人スタッフが作業を担当 ・大量依頼でディスカウントあり |
引用：Urizo
Urizoでは、全国560万件以上の企業情報をリスト化できるツールを提供しています。基本的には、情報を収集して自動でデータを出力するシンプルな機能であるため、既存リストを探して購入するよりも安価に導入することができます。また、Urizoには無料版もあり、使用感を試せることも魅力です。自社でスピーディにリスト作成をしたい方、お試しでリスト作成ツールを利用してみたい方は検討してみてください。
サービス名 | Urizo（ウリゾウ） |
費用 | ベーシック 9,900円/月 スタンダード 15,400円/月 プレミアム 23,100円/月 スーパープレミアム 44,000円/月 |
業務範囲 | リスト作成サポート、データ抽出 |
特徴など | ・複数のプランから状況に合わせて選択可能 ・自動でリストを作成するため時短になる ・Excel出力機能もあり使いやすい |
出典：Musubu
Musubu（ムスブ）では、法人営業向けに140万件以上の企業情報データベースを提供しています。通算導入利用社数が111,755社と実績が豊富で、大手から中小まで幅広い企業に利用されています。
Musubuにはリスト作成サポートだけでなくメール一斉配信機能、営業管理機能もあるため、営業部門全体の効率化ができるでしょう。
また、Musubuには単月プランもあり、スポットでの利用が可能です。月額プランより費用は高めですが、必要なときにのみ利用したい企業は検討してみてください。
サービス名 | Musubu（ムスブ） |
費用 | 標準6か月プラン 50,000円/月 標準12か月プラン 45,000円/月 単月スモールプラン 60,000円/月 単月ミディアムプラン 120,000円/月 単月ラージプラン 330,000円/月 |
業務範囲 | リスト作成サポート、メールの一斉配信、営業管理 |
特徴など | ・営業管理機能があり総合的な業務改善が可能 ・プランが豊富で単月のみ利用することができる |
出典：エンカレッジ
株式会社エンカレッジでは、1件1円のプロモーションとして配信先決定後、メール送付を行うサービスを実施しています。メールの内容はエンカレッジに作成してもらえるため、時間をかけずスピーディにプロモーションを実現できるでしょう。
さらに同社では営業ターゲットリストを無料で作成してもらえるサービスもあり、価格にこだわる方におすすめです。
サービス名 | エンカレッジ |
費用 | 1件1円 |
業務範囲 | 営業リストの作成、メール送付、問い合わせフォーム入力代行 |
特徴など | ・無料サービスが豊富で気軽にお試しができる ・メール送付は内容作成まで任せられる |
参考：株式会社エンカレッジ
出典：アイランド・ブレイン
アイランド・ブレインは営業代行をおこなっており、営業関連の業務を一括で任せることができます。リスト作成だけでなく、営業業務全般をアウトソーシングしたい場合におすすめです。
同社の報酬は商談ごとの成功報酬制であり、商談獲得に至らなかった場合に発生する料金はありません。そのため、本当に営業代行でアポイントメントが得られるのか、不安に感じている方も安心して依頼できるでしょう。
サービス名 | アイランド・ブレイン |
費用 | 商談1件19,800円（税込） |
業務範囲 | ターゲット選定、アプローチ、商談獲得 |
特徴など | ・完全成功報酬制で、失敗した場合の費用負担なし ・商談獲得まで対応してもらえるため大幅な手間削減が可能 |
出典：カチアルサポート
カチアルサポートは、経理や営業事務、秘書的サポートなどさまざまな業務をまとめて依頼できるため、バックオフィス業務をまとめて外注したい方におすすめです。また、担当者は実際にサービス提供元拠点に出社して業務に従事するため、その場でコミュニケーションが取れる点も大きなメリットです。
費用は月額制で、初回限定のエントリープランも用意されています。リスト作成を含めて、まずはどのような業務が依頼できるのか、ぜひ一度お問い合わせください。
サービス名 | カチアルサポート |
費用 | 初回限定エントリープラン 43,000円（税抜）/月（税込47,300円） 月内利用時間 12時間、契約月数3か月 ライトプラン 55,000円（税抜）/月（税込60,500円） 月内利用時間 12時間、契約月数3か月 スタンダードプラン 118,000円（税抜）/月（税込129,800円） 月内利用時間 30時間、契約月数6か月 プロプラン 106,000円（税抜）/月（税込116,600円） 月内利用時間 30時間、契約月数12か月 |
業務範囲 | 経理、営業事務、秘書などに幅広く対応 |
特徴など | ・100％正社員の厳選スタッフ ・業務の自由な組み合わせが可能 ・スタッフはサービス提供元拠点に出社し、管理者の監督のもとで業務に従事 |
今回はリスト作成代行の業務内容や種類、依頼するメリットやデメリットについて解説しました。
＜記事まとめ＞
リスト作成が大きな負担となっている企業は、リスト作成ができる業者を複数比較・検討して、必要なサービスを提供している業者を利用してください。
ただし、精度の高いリストが作れるかどうかは、依頼をする業者次第です。実績を確認したうえで、データベースの充実度やスタッフの熟練度などもチェックしましょう。
