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秘書業務は委託すべき?アウトソーシングのメリットと注意点

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目次

秘書業務は出張の手配や取引先との調整など、責任の大きい仕事が多く、負担に感じている従業員も少なくありません。秘書業務を委託したいと考えている企業も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、委託できる秘書業務の内容やアウトソーシングを利用するメリットについて解説します。利用時の注意点やポイント、おすすめのサービスも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

秘書業務を委託できる「秘書代行」とは

秘書業務を委託できるサービスを「秘書代行」といいます。ここでは、以下のような基本情報について解説します。

  • 秘書代行の概要

  • 注目を集めている理由や背景

知識を深め、適切な方法で活用しましょう。

秘書代行の概要

秘書代行とは、秘書業務の一部または全てを社外に委託することです。世界的に注目を集めており、「オンライン秘書」や「オンラインアシスタント」、「バーチャルアシスタント」と呼ばれることもあります。

秘書代行では、フリーランスの個人や業務請負会社、人材派遣会社などへ仕事を依頼する流れが主流です。期間までにあらかじめ定められた業務を完了させるという契約が結ばれ、契約者はサービスの利用料を支払います。

法人からフリーランスまで、誰でも利用できるサービスがほとんどです。また、秘書代行だけでなく、経理や人事、Web制作といった業務に対応しているサービスもあります。

秘書代行が注目されている理由や背景

少子高齢化により人手不足に陥っている企業が増加しています。働ける人材の数が減少すると、その分一人ひとりの抱える業務負担が増加するため注意が必要です。従業員が「辛い」「辞めたい」と感じる機会が増え、働きやすい企業を求めて辞職する可能性が高まりますし、辞職せずとも残っている従業員にさらに負担がかかるという悪循環に陥る恐れがあります。

また、働き方改革やコロナ禍の影響により、リモートワークが定着したことも理由のひとつです。これまでオフィスでしかできなかった業務や属人化していた業務が減少したことで、外部の人材へ業務を委託しやすくなりました。

秘書代行にアウトソーシングできる業務内容

秘書代行にアウトソーシングできる業務には以下のようなものがあります。

  • 秘書業務

  • 人事業務

  • 経理・労務・総務・財務

  • 営業・マーケティング

  • その他の業務

業務内容を詳しく解説しますので、参考にしてみてください。

秘書業務

秘書業務は、組織や個人のスムーズな業務運営を支援するために行われる業務です。秘書業務では、組織や個人の業務効率や生産性を向上させることが期待されます。代行可能な秘書業務の一例は以下の通りです。

  • スケジュール管理:会議やイベントの日程調整、カレンダーシステムの管理

  • メール対応:受信メールのフィルタリング、メールの整理、返信

  • 出張の手配:交通手段の手配、宿泊施設の手配、移動方法の調査

  • 資料の作成:文書作成、データ入力や整理、文書管理

細かい調整が必要な業務や責任の大きい業務も多いため、委託することで従業員の負担を軽減することができます。

人事業務

バックオフィス業務をメインに担うサービスでは、人事業務も委託可能です。応募者への連絡や面接準備、求人原稿の作成などに対応できます。また、求人サイトの作成や応募者情報の管理が可能なサービスもあります。

ただし、採用人材の決定には対応できないケースがほとんどです。秘書代行ではそのプロセスを支援することで、人事業務の負担を軽減し、効果的な採用活動を促進します。

経理・財務・総務・労務

経理・財務・総務・労務などの業務も依頼可能です。

  • 経理:会計処理、経費の計算、請求書の作成、支払処理

  • 財務:資金管理、財務報告

  • 総務:オフィス管理、契約管理、受付業務

  • 労務:勤怠管理、給与計算、社会保険手続き


秘書業務だけでなくこれらのバックオフィス業務を一緒に委託すると、コア業務に専念できる時間が増えます。

営業・マーケティング

秘書代行が営業・マーケティング業務に対応することもあります。その場合は企画書の作成や、情報収集・分析などが行えることが多くあります。また、サービスによっては広告運用やWebサイトの作成が依頼できることもあります。市場での競争力を高めたい場合は、営業やマーケティングの委託も検討しましょう。

その他の業務

文字起こしやデータ入力などのバックオフィス業務も依頼できます。オンラインでも対応可能な業務が多いため、アウトソーシングに最適です。また、電話対応などの顧客対応・管理が可能なケースもあります。顧客対応は、秘書業務の中でも特に対応力が求められるため、人材育成に難しさを感じている企業に適しています。

秘書業務をアウトソーシングするメリット

秘書業務をアウトソーシングするメリットは以下の通りです。

  • 業務効率化をめざせる

  • 人件費を削減できる

  • スムーズに業務を遂行できる

  • 休職や退職リスクを軽減できる

それぞれ詳しく解説します。

業務効率化をめざせる

秘書代行に業務をアウトソーシングすることで、従業員はコア業務に集中できる環境が整います。特に、メール確認やデータ入力といったルーティンワークは業務量が多く、従業員のストレスや負担になることもあり注意が必要です。

負担を軽減することで、従業員のストレスが軽減されます。また、そのことで離職者の減少や従業員の定着率の向上効果も期待できるでしょう。業務の効率化がかなえば、空いた時間を別の業務に割り当てることも可能となり、業務の幅や可能性が広がります。

人件費を削減できる

人件費を削減できるという点も、秘書代行に委託する際のメリットのひとつです。正社員を一人雇うとなると、給与のほかにも退職金や保険、福利厚生などさまざまな費用が発生します。

サービスによっては必要な業務を必要な分だけ依頼できるものもあり、自社で新たに秘書を雇うよりもコストを低く抑えられます。

スムーズに業務を遂行できる

秘書代行では経験豊富な人材が業務に対応するため、初歩的なミスやヒューマンエラーの発生を防止できるのも大きな強みです。重要なミーティングや取引先との会合などで、「日程調整が間違っていないか」「必要な資料が不足していないか」と心配する必要がありません。厳しい試験や面接を乗り越えて採用された人材が、秘書業務を円滑に遂行します。

また、自社従業員が業務に関するミスや不安を抱えることなく、安心して業務に集中できるようになるのも評価の高いポイントです。代行サービスが責任を持って秘書業務を遂行することで、従業員は自身の受け持っている仕事に集中できます。不安や精神的ストレスも軽減できるでしょう。

休職や退職リスクを軽減できる

秘書代行は、業務の安定性を高める際にも有効です。従業員の突然の休職や退職によって、業務に支障が出るリスクを軽減することができます。

また、属人化している業務内容が可視化されるため、今までは特定の人物にしかできていなかった業務を誰でも対応できる体制が整います。改めて新人教育をする手間や時間が軽減されれば、その分の人件費も抑えられるでしょう。

秘書業務をアウトソーシングする際の注意点

秘書業務をアウトソーシングする際の注意点は以下の通りです。

  • 費用がかかる

  • 依頼できない業務がある

  • 情報漏えいリスクがある

  • 自社でノウハウを構築しにくくなる

対策方法と併せて解説します。

費用がかかる

秘書代行では、相場として時給換算で2,000円〜3,000円の費用がかかるといわれています。例えば、1日8時間、20日間依頼した場合の費用は32万円です。長期的に見ると、従業員を雇った方が安くなるケースもあります。

なお、料金プランはサービスにより異なり、全てのケースにおいて時給制が採用されている訳ではありません。費用対効果を事前に分析し、効果が高いと判断できた場合に導入すると良いでしょう。

依頼できない業務もある

秘書代行の形態は「オンライン式」と「対面式」の2パターンがあります。オンラインサービスを選択した場合は、基本的にオンライン上でやり取りできる業務しか対応できません。紙媒体の書類の整理や採用面接などの業務は、対応できない可能性があるため注意しましょう。また、やり取りに時間がかかることも多く、臨機応変な対応を依頼することが難しくなる可能性があります。日頃から小まめに情報共有するようにして、スムーズに業務を遂行できるよう連携を強化しておきましょう。

情報漏えいリスクがある

情報をやり取りする中で、個人情報や機密情報が流出するリスクもあります。万が一、情報が外部に流出してしまった場合、企業の信用問題に発展する恐れがあります。

秘書代行を選ぶ際は、セキュリティ体制をチェックしましょう。プライバシーマークを取得していたり、ISMS認証を取得していたりとセキュリティ体制を強化している運営会社・サービスを選ぶのが得策です。情報漏えいリスクに対する危機管理能力が高く、プライバシー管理が徹底されていると考えられます。

自社でノウハウが構築されない

自社で業務を遂行することがなくなるため、知識やスキルを構築しにくくなる点に注意が必要です。自社で業務対応できる人材がいなくなると、永続的に業務委託しなければならなくなる可能性があります。

自社にノウハウが必要な場合は、業務の全てを依頼するのではなく、一部のみを委託するようにしましょう。業務委託する業務範囲を最小化できるため、費用が浮く上に、自社にノウハウを残せます。

秘書代行を選ぶ際の流れとポイント

秘書代行を選ぶ際の手順は以下の通りです。

  1. 自社課題を明確にする

  2. 対応業務の内容を確認する

  3. 料金プランをチェックする

  4. 実績を比較する

  5. 見積もりの作成を依頼する

やるべきことの内容と、サービス導入を成功に導くためのポイントを紹介します。

1.自社課題を明確にする

まずは自社課題を明確にすることが大切です。課題に即した内容を依頼することで、従業員の負担やストレス軽減につながります。また、サポートが必要な業務だけをピンポイントで依頼すれば、費用を軽減できる可能性もあります。

2.対応業務の内容を確認する

対応できる業務の内容は、運営会社・サービスによりさまざまです。自社で依頼したいと考えている業務が対応可能かどうか、事前に確認しておきましょう。

複数の業務を依頼したいときは、サービス対応可能な業務の範囲が広いサービスや、総合的なサポートを依頼できるサービスが適しています。

一方、少しだけ依頼したいときや繁忙期のみお願いしたいというようなケースでは、スポット対応が可能なサービスや秘書代行に特化したサービスを選ぶと良いでしょう。

3.料金プランをチェックする

秘書代行の料金プランは、月額制と従量制の2パターンに分けられます。従量制では依頼する業務が増えれば増えるほど費用が上がるのが特徴です。ただし、スポット対応を依頼すれば安く済む場合もあります。

月額制は、1ヵ月分の料金をまとめて支払うシステムです。中長期的に継続して依頼したいときや、複合的にさまざまな業務を依頼したいときには月額制が適しています。「いくらに収めたいか」「いくらまでなら支払えるか」といったように、事前に予算を立てておくとサービスを選びやすいでしょう。

4.実績を比較する

どのサービスを選べば良いか分からないときは、実績を比較するのも方法のひとつです。

実績が豊富であるサービスは顧客満足度が高いケースが多く、自社にとっても利用価値の高いサービスになるものと考えられます。

実績はホームページで確認可能です。導入事例を掲載していたり、「導入実績500社以上」「公官庁でも採用」などと記載されていたりします。なお、実績の中に、自社に似た規模の企業があるかもチェックしてみましょう。実際に自社で導入したときの参考になります。

5.見積もりの作成を依頼する

気になるサービスがあったら見積もりを依頼することで、実際にいくらかかるかが分かります。依頼したい業務や予算が決まったら、見当を付けたサービスに見積依頼を出しましょう。返答を見ながら総合的に判断し、利用するサービスを決める必要があります。

ホームページに料金が記載されているサービスもあるため、事前によく情報収集することが大切です。要問い合わせとなっている場合は、見積を依頼しましょう。

秘書業務のアウトソーシングにおすすめの委託サービス5選

秘書業務のアウトソーシングにおすすめの委託サービスは、以下の5つです。

  • タスカル

  • フジ子さん

  • HELP YOU

  • e秘書

  • カチアルサポート

サービスの特徴や料金プランなどを詳しく解説します。

タスカル│株式会社Colors

出典:株式会社Colors

タスカルは株式会社Colorsが運営するオンラインアシスタントサービスです。秘書や経理、総務などのバックオフィス業務を委託できます。

専門ディレクターが付き、アシスタントチームを構築して業務をサポートしてくれるのが特徴です。経験豊富な人材が業務にあたるため、業務の質を改善できます。

月10時間から依頼可能で、余った時間は翌月に繰り越しも可能です。月額27,500円~とリーズナブルな価格設定になっており、導入しやすいでしょう。

サービス提供企業

株式会社Colors

メイン業務

経理、秘書、人事、Web運営

費用(税込)

・3ヵ月プラン:44,000円

・6ヵ月プラン:33,000円

・年間プラン:27,500円

※超過分はプランごとの10時間単位で加算(切り上げ)

サイトURL

https://taskar.online/

フジ子さん│BPOテクノロジー株式会社

出典:BPOテクノロジー株式会社

オンラインアシスタント「フジ子さん」は、BPOテクノロジー株式会社が提供するサービスです。秘書業務や経理、総務などバックオフィス業務に幅広く対応しています。秘書業務では、備品購入代行や資料作成、出張手配やお店の予約、翻訳などが可能です。

累計ユーザーは1,000社以上となっており、公官庁での導入実績もあります。秘書業務では、2時間のトライアルも用意されているためお試ししてみたい企業におすすめです。

サービス提供企業

BPOテクノロジー株式会社

メイン業務

秘書業務、経理、総務、翻訳、Webサイト運営

費用(税込)

・トライアル:無料

・PLAN20:62,700円

・PLAN30:92,400円

・PLAN20:132,000円

サイトURL

https://fujiko-san.com/

HELP YOU│株式会社ニット

出典:株式会社ニット

HELP YOUは株式会社ニットが提供するサービスです。秘書や翻訳、総務、人事などのバックオフィス業務を依頼できます。固定の専属アシスタントがついて、業務をサポートすることが特徴です。また、チームプランもあり、依頼内容に合わせた対応が可能とされています。

累計クライアントは700社以上、継続率は98%です。業務マニュアルを作成してくれるため、急な退職者がでたときにもスムーズに業務を遂行できる体制を整えられます。

サービス提供企業

株式会社ニット

メイン業務

秘書や翻訳、総務、人事、営業事務

費用(税込)

チームプラン:10万円/30時間、15万円/45時間

1名専属プラン:15万円/45時間、20万円/60時間

サイトURL

https://help-you.me/

e秘書│株式会社ベルシステム24

出典:株式会社ベルシステム24

e秘書は株式会社ベルシステム24が運営する電話代行サービスです。自社に代わって電話を受け取り、内容をメールで送信してくれます。

電話代行35年以上、延べ2万4,000社が利用した実績があります。月額10,000円から利用でき、2週間のトライアルも可能です。オプションとして多言語サービスや24時間対応サービスもあるため、幅広い職種で利用されています。

サービス提供企業

株式会社ベルシステム24

メイン業務

電話代行

費用(税込)

スタンダードコース:月額10,000円~

メッセージコース:月額15,000円~

サイトURL

https://www.tas.bell24.co.jp/

カチアルサポート│NTT印刷株式会社

出典:NTT印刷株式会社

カチアルサポートはNTT印刷株式会社が運営する、バックオフィス業務全般の代行サービスです。秘書や経理、営業事務、人事・採用などの業務を依頼できます。

個人事業主から従業員数501人以上の企業まで対応可能です。100%正社員で、厳しい面談やスキルテストを通過した厳選されたスタッフのみが在籍しているため、業務効率化や質の改善をめざす企業に最適です。

サービス提供企業

NTT印刷株式会社

メイン業務

秘書、経理、営業、採用、人事

費用

・エントリープラン:43,000円(税抜)/月(税込47,300円)

※初回限定、月12時間、3ヵ月契約

・ライトプラン:55,000円(税抜)/月(税込60,500円)

※月12時間、3ヵ月契約

・スタンダードプラン:118,000円(税抜)/月(税込129,800円)

※月12時間、6ヵ月契約

・プロプラン:106,000円(税抜)/月(税込116,600円)


※月30時間、12ヵ月契約

サイトURL

https://kachiarusupport.nttprint.com/

秘書業務を委託すると業務効率化が期待できる

秘書代行では、出張の手配や取引先との日程調整、電話対応などの業務を依頼できます。経験豊富なスタッフが業務を代行してくれるため、業務効率化をめざす企業に最適です。また、休職や退職リスクを軽減できたり、人件費を削減できたりするというメリットもあります。ただし、秘書代行は複数あり、運営会社によって対応できる業務内容や料金プランが異なります。

「選びきれない」「どのサービスが自社に合っているか分からない」というときは、幅広いバックオフィス業務に対応可能なカチアルサポートがおすすめです。秘書業務だけでなく、人事や経理、営業なども依頼できます。初回限定プランなら47,300円(税込)で利用可能です。秘書業務をアウトソーシングしたいと考えている場合は、ぜひ一度お試しください。